サッカー韓日W杯まであと1年半
大胆予測 これが両国メンバーだ
韓日が共催するサッカーの2002年ワールドカップ(W杯)まであと1年半。両国とも決勝トーナメント進出が至上命令だ。16強入りし、さらには夢のような韓日決勝が実現すればこの上ない。ともかく、2002年W杯の成功に必要不可欠なのは、開催国である韓日両国の活躍である。そこで昨年12月20日、1対1で引き分けた韓日戦での戦いを手がかりに、両国の2002年W杯の予想イレブンを分析してみた。(本紙客員ライター・李京太)
■韓国代表 優れた体力と精神力
20日の韓日戦は韓国代表にとって、今後の選手生活を左右しかねない特別な意味を持っていた。それは12月17日、うわさ通り前オランダ代表監督の名将フース・ヒディングが正式に韓国代表監督に就任し、今回の韓日戦をスタンドから観戦したからである。1月中旬より本格的に始動するヒディング新監督が韓国代表を生で見る初めてのゲームであり、これまでの実績や経験とは関係なく、新監督の前で存在をアピールできなければ代表には残れない。
そうした意味では試合終了後、ヒディング新監督の「若い選手のアピールには非常に満足している」というコメントは、今後の韓国代表を占う上で非常に興味深い。今の日本代表と「戦術と技術とコンビネーション」が極端に未熟な韓国代表を比べるのはナンセンスであるが、現時点で世界的に見れば日本の方が世界レベルに近いかもしれない。
しかし、戦術を実行するのはあくまで個人であり、韓国選手の優れた体力と精神力の強さは、日本をはるかに上回るだけのポテンシャルを有しているとヒディングは確信したのだろう。
特に若手では司令塔である李天秀(イ・チョンス)のテクニックと戦術眼、日本のDFでは全く止め切れなかった左ウイングバック李栄杓(イ・ヨンピョ)のスピードは、世界レベルでも十分に通用するだろう。
また、洪明甫(ホン・ミョンボ)、柳想鐵(ユ・サンチョル)、尹晶煥(ユン・ジョンファン)、崔成勇(チェ・ソンヨン)らの能力は、Jリーグでの活躍が証明するように安定している。
超攻撃的サッカー戦術のスペシャリストとして世界から高い評価を受けるヒディング新監督は、当初「韓国のことをよく知らない」と言う理由から、監督就任を拒んだという。
しかし、ヒディングはフランスW杯でオランダの監督として韓国を0―5でたたきつぶした張本人であり、彼の脳裏には世界の強国であるオランダに大敗したとは言え、最後まで臆することなく猪突猛進な攻撃的スタイルで攻め続けた韓国は魅力的に映っただろう。相性の良さも感じたに違いない。韓国サッカーの長所である強靱な体力と精神力に、ヒディング新監督のシステマチックな攻撃的戦術がうまくかみ合ったとき、「魂のサッカー」に切れ味鋭い攻撃的戦術がプラスされたネオ・コリアンスタイルが確立されるだろう。
最後に現在、イタリアのペルージャで活躍中で、今回の韓日戦でもゴールを決め2002年での活躍が最も期待されるFW安貞桓(アン・ジョンファン)は試合後、こう語った。「今、韓国はちょうど悪い波にいるだけだ。これからはどんどん強くなる」。20世紀最後の韓日戦で、ようやく眠っていた“アジアの虎”のプライドが目を覚まし、2002W杯への希望を見せてくれた。
■日本代表 ハイレベルな組織戦術
ここ何度かの韓日戦を見ても、現時点で両国がともにベストメンバーをそろえて戦えば、日本が勝つ確率が高いといえる。それは、日本の方が強いと言う意味ではなく、日本の長所が「戦術と技術とコンビネーション」にあるからだ。
シドニー五輪やアジアカップなどのように、ベストメンバーがそろえばトルシエ監督の攻撃的戦術が機能し、素晴らしいサッカーを披露する。その組織的な戦術が十分に機能すれば、もはやアジアレベルでは太刀打ちできないだろう。
半面、中心選手である稲本や中村俊輔ら数人が抜けるだけで、コンビネーションが全く機能しないという課題が残る。二十日の韓日戦は、ベストメンバーがそろわず、コンビネーションに不安が生じるとゴールを奪えないことから「日本の武器(決定力)はコンビネーションである」という現実が如実に表れた試合となった。
こうした課題から、本来であれば中田英寿など、海外で活躍するタフな選手を代表に加えることで戦力アップが計られるのだが、日本代表の生命線がコンビネーションにあるだけに、むやみに選手を海外に移籍させず、Wユース準優勝の中心選手として共に国際経験を積んできた若手の中村、稲本、明神、本山らを中心に、戦術を成熟させることが、日本代表強化の近道となるはずだ。
<予想先発メンバー>
【韓国】(4―4―2)【日本】(3―5―1―1)
GK金龍大 GK楢崎
DF洪明甫 DF服部
金泰映 森岡
崔成勇 中澤
盧廷潤 MF稲本
MF柳想鐵 名波
尹晶煥 小野
安貞桓 中田英
李栄杓 中村
FW李東国 森島
サーシャ FW西沢
●新春メッセージ●
鄭夢準・大韓サッカー協会会長
日本で活発な経済活動を行っている同胞経済人、そして東洋経済日報の愛読者の皆様。新年を迎えて皆様とご家族様が幸福と健康に満ちたものでありますことをお祈り申し上げます。
2002年W杯が迫ってまいりました。これまで韓日両国は2002年W杯大会を共同で準備しながら、互いに理解と交流の幅を広めてまいりました。両国間のこの努力は、今後もさらに加速すると思われ、このような一連の動きが皆様方の企業運営と社会活動の力になることを望んでおります。
競技場建設など2002年W杯の準備は計画通りに進んでいます。問題はこの大会が、韓国と日本両国の真の理解の場になるということであります。
実際、ここ数年間サッカーの交流を通じて、韓国と日本の若者が、より近くなっていると感じます。運動場でともに声援を送る両国の若者を見るとき、W杯を誘致した甲斐があったと実感します。
新年を迎え、計画されたことが全てかないますようお祈り申し上げ、2002年W杯が無事に開催されるよう、多くの人が関心を持っていただけますようお願い申し上げます。
岡野俊一郎・日本サッカー協会会長
謹んで新年のお慶びを申し上げます。
21世紀最初のFIFAワールドカップ開幕まで、残すところ五百十五日となりました。
昨年は日本サッカー界にとってすばらしい一年でした。A代表がアジアカップで優勝し、シドニー・オリンピックでも準々決勝に進出、さらに今年開催されるU―20、U―17の世界選手権の出場権を得ることもできました。
二〇〇二年に日韓共催によるアジア初のワールドカップに向けて本年も代表チームの強化に全力を尽くす決意でおります。
一方、ワールドカップ日本組織委員会もこれまでの懸案事項についてFIFAの基本的な了解を得ることができ、大会開催の準備は急速に整うことと考えております。
ノーベル平和賞に輝いた金大中大統領閣下の「太陽政策」の意を体して、日本サッカー協会は大韓蹴球協会とより緊密な協力態勢のもと、残る五百十五日の間に、ワールドカップ史上最高の大会開催を目指して全力を挙げて取り組む覚悟です。
日韓両国のサッカー協会のみならず、両国の政府、国民、そしてサポーターの皆さんと共に一致協力して大会の成功に向かって努力する過程そのものが、日本と韓国の二十一世紀におけるすばらしい友好関係を構築し、ひいては世界の平和に寄与するものと信じております。
二十一世紀の輝かしい幕開けの日に、大韓蹴球協会のさらなる発展をお祈り申し上げます。