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2002/04/26

<韓国文化>宮廷音楽を競演

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    韓国・文廟祭礼楽(ムンミョチュレアク)

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    日本・納曽利(なそり)

 2002年韓日国民交流念記念事業として、韓日合同による『日韓宮中音楽交流演奏会』が、5月7日の東京・国立劇場を皮切りに大阪、ソウル、釜山で開催される。出演は両国宮中音楽の正統な伝承団体である韓国国立国楽院と日本の宮内庁式部職楽部。両者が公開の場で競演するのは史上初めてのこと。

 古代、東アジアは活発な交流を行っていた。思想・宗教をはじめ、多くの文化が伝播し、現在の文化の基調をなしている。韓国と日本は、宮廷芸能として古来の音楽と舞踊を伝承している。その来歴を辿っていくと同じ根に行き着く。

 日本の雅楽には中国大陸から渡来した唐楽や韓半島から伝わった高麗楽(こまがく)のほか、日本古来の歌舞が伝承されている。

 一方、韓国には、日本では伝承されなかった中国の典礼音楽や、李朝楽などが伝承されている。

 共通のルーツを持ちながらも、それぞれの歴史の中で独自に変容し展開してきたのが現在の両国の宮中音楽といえる。今回の演奏会における両者の出会いは、それぞれの共通性と相違を知るきっかけになるとともに、古代東アジアのダイナミックな音楽文化交流を浮かび上がらせることにもなる。

 韓国国立国楽院は、6世紀半ばの新羅時代の音声省に端を発する。李王朝まで宮廷に仕え、現在は国立の音楽機関として伝統音楽の伝承・教育・演奏の総合的機関として活動。釋奠祭(せきてんさい)での文廟祭礼楽(ムンミョチュレアク)の演奏や、宗廟祭における祭礼楽を勤めるほか、宮中の宴礼楽を伝承・演奏している。

 日本の宮内庁式職楽部は、701年大宝律令により宮中に設置された雅楽寮に端を発する宮中の演奏団体で、現在も宮中の儀礼音楽を演奏している。これまでに韓国で公演したことはない。

 どちらも正統な宮廷音楽の継承団体で、日本側から見れば韓国の宮廷音楽は、中国から日本に伝わった本来の「雅楽」(文廟祭礼楽)を伝承していることと、日本が習い、伝承している高麗楽の本家として興味深いし、また、韓国側から見れば、かつての韓国の音楽であったものが、どのように日本風に変化しているか、また、唐楽の伝承がどのようになっているかなど興味深い。

 韓国国立国楽院の金景姫学芸研究士は、「韓日両国の宮中音楽の代表的は正統継承機関が公開的な会場で合同公演を行うことは初めての試みであり、それを通じて両国演奏者のみならず、両国民がお互いに伝統音楽についての理解がより深まるよい機会になる。また古代の音楽的相互交流を再確認し、音楽を通じた両国間の未来志向的な緊密な友好関係を築けるようになる」と話す。

 演奏会は韓国側が孔子廟で演奏される「文廟祭礼楽」など儀式用の祭礼楽や宮中舞踊などを、日本側は韓半島から伝えられたとされる高麗楽の「納曽利(なそり)」、や日本古来の歌謡に基づく国風(くにぶり)の歌舞「東遊(あずまあそび)」などを上演する。

 韓国公演は5月23日から24日までソウルの国立楽院で、5月27日、28日釜山の釜山文化会館で行われる。


東京公演
5月8日・9日午後6時半開演
国立劇場[大劇場]
1等3,700円(学生2,960円)/2等3,200円(学生2,560円)
℡03・3230・3000(国立劇場チケットセンター)

大阪公演
5月12日・13日午後2時開演
国立文楽劇場
一般3,500円/学生2,800円
℡06・6212・1122(国立文楽劇場)