「姜鳳奎『韓国人の故郷』写真展」(主催:在日韓国人文化芸術協会・金好植会長、後援:東洋経済日報社など)が、広島を皮切りに全国5都市で巡回展示中だ。韓日文化交流の活性化のために開かれる同写真展は、韓国人の伝統生活、家と環境、民俗遊び、祈願と信仰などを撮影した姜氏の写真約70点を展示するもので、韓国人の故郷、庶民生活に触れることのできる貴重な写真展だ。
姜鳳奎(66、カン・ボンギュ)氏は、「故郷」をテーマに作品を発表し続けてきた韓国写真界の第一人者である。
「韓国人の故郷」とは「韓国人の顔」でもあり、「自分探し」の旅でもある。「伝統的な精神」「韓国的らしいもの」「自分らしいもの」を、研ぎ澄まされた作家精神で撮り続け、「過ぎ去ったもの」「失われたもの」「忘れ去られたもの」「かけがえのないもの」に対する豊かな愛情表現が、写真に満ち満ちている。
「故郷」への想いは、民族や国籍を超えて万人が共感するテーマであり、それは同時に、現代社会に対する鋭い文明批評にもなっている。
姜氏は1935年、全羅南道和順生まれ。全南大学卒業後、全南日報社で写真部長、出版局長を務めた。韓国写真展覧会の招待作家として審査委員長となり、93年には光州芸総会長就任、95年には第1回光州ビエンナーレ執行委員長を歴任。その業績によって96年、銀冠文化勲章を授与されている。
著書に「姜鳳奎写真集」「韓国の故郷」(文化広報部推薦図書)「韓国人の顔」「月と花と風と木のある家」などがある。
今回の写真展について河正雄・光州市立美術館名誉館長は、「在日韓国人には心の中にある故郷への想いを募らせ、日本国民にとっても”故郷への共感”を呼ぶ写真展になると思う。今回の写真展が、韓日友好に寄与することを願う。ぜひ多くの人に足を運んでもらいたい」と話す。
伝統的な精神と生活を地域社会で守るために作られた「社団法人故郷サラン会」の金応瑞会長は、「故郷は私たちにとって生の始まりであり、文化と芸術の根ともいえる。姜先生の写真を通して、韓国の伝統文化に接してほしい」と語る。
東京:4月24日―5月4日 新宿パークタワービル1Fギャラリー
仙台:5月 7日―12日 宮城県美術館県民ギャラリー
大阪:5月20日―28日 関西韓国文化院
新潟:6月3日―9日 新潟市民芸術文化会館
℡03・3359・3312(在日韓国人文化芸術協会)