◆　映　画　◆

　９月上旬の秋夕（旧盆）に向けて封切られた韓国映画３本（「ｏｈ！ブラザーズ」「組暴マヌラ」「吹け、春風」）は、いずれも“頭を使わず”気軽に鑑賞できるという点で、性格が似ていた。よって過去の「ＪＳＡ」「家門の栄光」にような突出したヒット作が生まれなかったが、その中で健闘したのが１位だった。

　12歳ながら30歳以上に見える「早老症」の弟と、借金の取りたてやゆすりで生計を立てる兄。腹違いの兄弟が心を通わせていく過程をコミカルに描く。初主演を務めたイ・ボムスの“12歳の少年”演技は圧巻。

　４位は好評だった映画の第２弾。主演のシン・ウンギョンが実生活で結婚が決ったニュースもあり、ヒットを期待したが前作のパワーは凌げなかった。

　海外での評価が高い金基徳監督がメガホンをとった「春夏秋冬…そして春」が７位。一人の修行僧の人生を、神秘的な湖畔に浮かぶ庵を舞台に、四季の移ろいにシンクロさせて描く。欧州での評判は高く、ロカルノ国際映画祭などをはじめ４つの映画祭で賞を受賞している。

◆　書　籍　◆

　ランキングの顔ぶれにあまり変化はない。その中でダントツの人気を誇っている１位は、仏の人気作家の短編小説集。「蟻」「ａｎｇｅｒ」など前作をしのぐ人気で今夏は不動の１位だった。

　昨年10月に出版されて以来、35万部を超すベストセラーになった３位。日本や中国での出版も目前に控えている。日常の一部分を切り取ったような内容に共感する人が増えているといえる。

　４位はきキム・ジュヨンの小説。自伝的な成長小説で、スペインで翻訳されて人気を呼んだことでしられる。戦後の貧しい村での庶民たちの生活を、１枚の水彩画を見るような繊細なタッチで描いた小説。

　最近ジワジワと人気を集めているインターネット配信の小説。人気小説は各放送局が版権の争奪戦を繰り広げているという話も聞く。10位もその一つ。ＭＢＣでドラマ化され現在放映中。そして小説本の出版となった。

◆　音　楽　◆

　１位はイ・ヒョリ。ピンクルのメンバーで、オク・ジュヒョンに次いでソロデビューを果たした。デビュー１作目となるアルバム「Ｓｔｙｌｉｓｈ」は“男に媚びを売らない、堂々とした女性”がコンセプト。露出の多い衣裳やダンスでテレビ出演禁止の声も出たが、女性ファンを中心に圧倒的な人気が物を言い、この人がテレビに出ない日はない。

　２位は女性４人組のグループ。夏の化粧品ＣＭソングにもなり、彼女たちにとって最大のヒットとなった。

　３位は在米韓国人Ｔｉｍ。米ＭＴＶが行う新人発掘プロジェクトでグランプリを獲得し実力派新人の呼び声が高い。今春ミュージシャンのユン・サンによるプロデユースで韓国デビューを果たした。ユン・サン独特の寂寥感のあるメロディーにＴｉｍの歌声がマッチしている。