コンテンポラリーダンス「舞姫と牧神達の午後 ダンスコンサート」(新国立劇場主催)が、12日から15日までの4日間、東京・初台の新国立劇場で開かれる。韓国から李侖勍(イ・ユンキョン)&柳碩勲(リュ・ソクフン)のペアがゲスト参加、第4回世界バレエ&モダンダンスコンクール(2002年)第1位・振付特別賞受賞作品に輝いた「ロメオとジュリエットⅠ&Ⅱ」を披露する。実生活でも夫婦の2人に、韓国現代舞踊の現況、今作品の意味などについて話を聞いた。
--ダンスを始めたきっかけは。
李 5歳のときから韓国舞踊を習っていて、中学3年生から現代舞踊に移った。韓国の伝統的な舞踊に自由さをアレンジして、女性だからこそ表現できる美しく独自な舞踊世界を作り出すようにしている。
柳 姉が現代舞踊家だったが、けがをしたため現役生活を断念し、舞踊学院の運営を始めた。その姉の勧めで現代舞踊を始めたが、やってみるととても楽しくて、そのままプロの舞踊家になってここまで来た。
--「ロメオとジュリエットⅠ&Ⅱ」のテーマは何ですか。
もしロメオとジュリエットが結婚していたら という設定で作り上げた。テーマは男女関係、つまり愛だ。「ロメオとジュリエットⅠ」は原作の雰囲気を残し、死ぬほど愛し合う関係、あまりに愛しすぎて死を前に幻想に陥るロメオの心を描いている。そのため踊りも呼吸もとても柔らかく甘美に作られている。
「ロメオとジュリエットⅡ」は想像であり、私たちが感じる現実でもある。夫婦間の葛藤を解いていく過程を表現した。つまり、倦怠期を解いていくためには対話とお互いに対する関心を持ち続けないといけないということを見せている。アップ・ダウンの激しいリフトを多用した振り付けを楽しんでほしい。
--日本公演への期待をお聞かせください。
日本は文化・芸術に対する認識が相当に高いと思う。そのため緊張もするし、良い作品を見せるために努力している。優れた日本の舞踊家たちと共に同じ舞台で公演することは光栄に感じているし、公演が成功することを強く望んでいる。
--韓国のバレエ・ダンス界の現況は。
韓国のクラシックバレエは、現代舞踊に比べて一般的にとても広まっている。幼稚園のころからバレエに接する機会が多く、専門家を養成する教育機関も多い。公立の機関以外にもプロの団体がいくつもある。全国50余の大学にある舞踊科を卒業した踊り手たちが、新しい団体・研究所を立ち上げている。海外の各種コンクールで優秀な成績を収める若者も増えたので、将来が楽しみだ。
--韓日ダンス交流についてはいかがですか。
この数年、より多くの交流が実現しているが、舞踊家同士の個人的な人脈を通じた交流が大部分のようだ。これからは例えば国家レベルとか、大規模な芸術交流を行うことで、両国間の文化的な差異を相互理解し、ひいては両文化間の葛藤を芸術的に昇華するのに寄与するだろうと思う。
--今後の活動は。
10月に2人で「LOVE DUET〝二重奏〟」という公演を行う。11月には再び日本で客演の予定がある。また12月には『ジーザス・クライスト・スーパースター』に出演する予定だ。
リュ・ソクフン 96年、全州大学舞踊学科卒業。在学中の95年、国立大学ダンスコンクールで大賞受賞。2001年、コレオグラフィーフェスティバルで銀賞受賞。
イ・ユンキョン 83年より梨花女子大学舞踊科、同大学院舞踊科で学ぶ。94年、バニョレ振付コンクール・グランプリ受賞。98年、舞踊批評家協会・ベストダンサー、99年韓国舞踊振興会によるベストダンサーに選出。
◆ 舞姫と牧神達の午後 ◆
日 程:12日午後7時、13日午後6時
14日午後2時、15日午後2時の4回
会 場:新国立劇場
料 金:A席5,250円、B席3,150円
TEL:03・5352・9999(ボックスオフィス)