韓国映画の新作など5本を特別上映する「シネマコリア2003」が今月、愛知、札幌、東京の3カ所で開催される。シネマコリア代表で韓国映画を紹介するサイト「韓国映画とハングル」を開いている西村嘉夫さんに、韓国映画の魅力について聞いた。
--サイト運営と映画祭を始めたきっかけは。
96年に始まった釜山国際映画祭で見た日本未公開の韓国映画を紹介しようと思ったのが始まりだ。10年以上前ならミニコミ誌を作るところだったが、ちょうどその頃からインターネットが普及し始めたので、ホームページを通じて紹介することを思いついた。
97年の暮れから準備をはじめて、公開したのが98年1月のことだ。映画は実物を見てもらわないとその面白さが伝わらない。それで、99年から映画祭を始めた。
--韓国映画の人気が以前にも増して高まっているとのことだが。
昨年末に公開された『ラスト・プレゼント』や年初に公開された『猟奇的な彼女』あたりから、更に注目度が上がっている。
「韓国映画とハングル」のアクセス数を例に取ると、去年の今ごろは週に6000アクセス強だったが、現在では1万2000ほどある。ざっと倍近い数字だ。この半年でファンになったという人が非常に多い。特に女性から「映画をきっかけに韓国語の勉強を始めた」という声をよく聞く。
--韓国のテレビドラマも人気だが。
昨年2月に日韓合作ドラマ『フレンズ』が放送され、大きな反響を呼んだが、その後、『秋の童話』、『イヴのすべて』、『冬のソナタ』といった韓国のテレビ・ドラマがBSやCSを中心に続々と放送されるようになってきているのも相乗効果をあげていると思う。
--「シネマコリア2003」の特徴は。
数多くの韓国映画が日本で公開されるようになったが、まだまだ知られざる秀作・佳作は多く残っている。そんな埋もれた作品を紹介する場がシネマコリアだ。
今年のシネマコリアでは、ちょっと毛並みの違う初公開作4本を集めた。それに一般公開されていない1本を加えて5本を上映する。今年はコメディに力を入れた。
--韓国コメディの魅力は。
笑いは万国共通の部分と、その国の文化や言語に精通していないと分からない部分がある。韓国と日本は情緒的に近い部分があるので、日本人にとって韓国コメディは理解しやすいと思う。その一方でやはり言語的・文化的に理解できない部分も点在しており、エンターテイメントとして楽しむ一方で、韓日の違いを知るうえで非常に面白い材料だ。
今回はコメディを2作品上映するが、『夢精期』は中学生を主人公にした青春コメディで、韓国と日本はすごく似ているなと感じられる作品、短編オムニバスの『ムッチマ・ファミリー』は逆に韓国的なるものを笑いの種にした作品だ。
韓国と日本、似ているようで違う、違うようで似ている、そんな部分をこれらの作品を通じて感じ取っていただければと思っている。
通常、映画祭と言うと一都市でのみ開催されるものだが、昔と違って今は全国津々浦々に韓国映画ファンがいるので、3カ所とも多くの韓国映画ファンが集まってくれると思う。今回の上映がきっかけとなって、これらの作品の劇場公開が決まればうれしい。
◆ 読者プレゼント ◆
東京会場30日午後5時『夢精期』、31日午後6時15分『中毒』のチケットを、各2組4人にプレゼント。希望プレゼント名、住所、氏名、年齢、職業、電話番号を明記の上、東京本社・読者プレゼント係まで。
【シネマコリア2003】
上映作品 : 『太陽はない』『夢精期』『ムッチマ・ファミリー』
『中毒』『風林高』
日 程 : 9、10日=愛知芸術文化センター
24日=札幌アーバンホール
30、31日=東京・草月ホール
T E L : 03・3353・6866(東京事務局)
H P : http://www.seochon.net/sinemakorea/