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2003/05/02

<韓国文化>子どもたちに"夢の世界"を

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    次席 『トラを捕まえた息子』 パク・チョルミン

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    大賞 『わたしの家』 クラウディア・レニァツィ

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    佳作 『十二支の物語』 リー・チュンギル

 第13回野間国際絵本原画コンクール入賞作品33点と、アジア・アフリカ・ラテンアメリカの国々の絵本約100冊を紹介する展示会「ゆめいろのパレット」(主催は財団法人ユネスコ・アジア文化センター、国立国会図書館国際子ども図書館)が、東京・上野の国際子ども図書館で開催中だ。韓国からは次席に入賞したパク・チョルミンさんの『トラを捕まえた息子』など4作品が展示されている。

 第13回野間国際絵本原画コンクールは2002年12月に開催され、世界43カ国から325点の作品が寄せられた。8人の国際審査員が応募作を審査し、その結果、大賞にはクラウディア・レニャツィさん(アルゼンチン)の『わたしの家』が選ばれた。

 韓国からは次席にパク・チョルミンさんの『トラを捕まえた息子』、佳作にリー・チュンギルさんの『十二支の物語』、奨励賞にナム・ジョン・スクさんの『天地創造』、シム・ミアさんの『いたずらネコのゴヤンスン』の計4作品が選ばれた。

 次席のパクさんの作品は、自分の父親を食べてしまったトラを倒すために、射撃の練習を重ねた少年が、ついにトラを撃ち殺して父親のかたきをうつ物語である。斬新な構図、物語としての1枚1枚の原画構成、伝統的な墨汁を生かした技法が認められたもので、審査員の一人である松本猛・安曇野ちひろ美術館館長は、「緻密に考えられた構図で臨場感を感じさせる空間表現を実現している。トラが登場する連続場面は、アニメーションをも思わせる動感豊かな表現で、ページをめくることによって場面が展開する絵本の特性をよく知って描いている」と高く評価した。

 『十二支の物語』は、トラ、ウサギ、タツ、ヘビなどの十二支の神が争いをはじめるユーモラスな作品。『天地創造』は、神さまが人や木々、山などをつくり出すようすを描いている。『いたずらネコのゴヤンスン』は、いたずらもので怠けもののネコのゴヤンスンが、魚のアドバルーンをえさと間違える物語である。

 野間国際絵本原画コンクールは、(財)ユネスコ・アジア文化センターが主催する絵本作家、アーチスト、イラストレーターを対象とする絵本の原画コンクールだ。作品発表の機会に恵まれないアジア、アフリカ、ラテンアメリカ地域を対象としており、1978年に野間国際図書開発基金をもとに始められた。以後隔年で開催され、これまでに60カ国から3300点以上の応募作を得て、数多くの絵本作家やアーチストを発掘し、世に送り出している。

 国際子ども図書館は、日本初の国立の児童専門図書館として、2000年1月1日に設立され、2002年5月5日に全面開館した。子どもの読書環境整備のために活動している。


【ゆめいろのパレット】
  会  期 : 4月25日(金)-7月6日(日)  
  会  場 : 国際子ども図書館3階本のミュージアム
  開館時間 : 午前9時30分-午後5時    
  休 館 日 : 月曜日、祝日(5月5日は開館)  
  料  金 : 無料                
  主  催 : (財)ユネスコ・アジア文化センターほか
         ℡03・3827・2053