◆映 画◆
ベストテンに入った韓国映画4本全てが『家族・家』をテーマにした作品。
初登場から圧倒的な人気で、全国映画観客の37%を動員し2週連続1位となった『うちの兄貴』は、若手男優の中でもトップクラスの人気を誇るウォンビンが主演。性格も容姿も異なる年子の兄弟が互いに傷つけ合いながらも理解していく過程が丁寧に描かれている。
5位は当代随一のコメディー監督キム・サンジンと自他ともに認めるコメディー俳優チャ・スンウォンがタッグを組んだ。引越しを繰り返して亡くなった父親の遺言「自分の家を持て」を守り念願のマイホームを購入したピルギ。
しかし、その家には幽霊が住んでいた。それからピルギとどこか憎めない幽霊との仁義なき戦いが始まる。
6位は鬼才キム・ギドク監督作品で今年ベネチア国際映画祭監督賞受賞作品。空き家を転々として生活するテソクはある日、夫の暴力におびえるソナの家に入り込む。存在を否定されたソナとテソクは互いに引かれ合うようになる。
海外の映画祭での高い評価に比べると国内興業は今ひとつ伸び悩んでいる。
◆ 書 籍◆
相変わらず外国小説が上位にランクイン。特に2位は映画人気と連動して原作本が売れている。
長期化する不況、高い失業率などかつてない危機に見舞われている韓国社会。このまままでは韓国の10年後はどうなえるのか、という問題点を鋭く指摘したのが5位。
シンクタンクの所長でもある著者は韓国社会の現実をち密に分析、明快な論理を展開し、「教育者や政治家、学者も皆商人になる商業帝国だけが韓国の生き残る道」と説く。
教会活動や様々な社会経験を通じて、社会の問題は〝関係の問題〟と認識し対人関係研究所を設立した著者が、韓国人の人間関係回復と成熟を期待して書いたのが8位。読者に疑問を投げかけ、読者自身が答えを見つけるよう促し、多くの共感を獲得している。
相手に理解を求めるよりも自分が相手を理解するよう努めるならば、人生に劇的な変化がもたらされ、関係は改善されると著者は強調している。
10位は今年30歳を迎えた小説家、ナム・インスクが20代の女性に世間の目を気にせず、したたかに生きて幸せを早くつかめとエールを送った随筆。
◆ 音 楽◆
東方神起、フィソン、ピらがアルバムを相次いで発表、上位圏が大きく変動、1カ月間トップの座を守っていたイ・スヨンが7位に後退した。
初登場で1位となったのはファーストアルバムを発表した東方神起。ヒット曲「ハグ」や「ドライブ」の作曲家パク・チャンヒョンの曲で、全体的にシンプルなリズムと洗練されたハーモニーが光る東方神起ならではのR&Bバラード。アルバム発売を記念してホームページ上で展開したイベントには開始1週間で20万人以上がアクセスする人気ぶり。
3位はピのサードアルバムのタイトル曲。「雨が降っている」ではなく「ピが歌っている」という意味。以前の2枚のアルバムに比べ歌唱力がさらにパワーアップしている。
8位には歌う吟遊詩人、イム・ジェボムが3年の沈黙を破り発表したアルバム収録曲がランクインした。今回のアルバムは実力派ミュージシャン、チェ・ナムクとの共同プロデュース。今月30、31日にはソロデビュー15年目にして初めてコンサートを開く。