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2004/06/25

<韓国文化>どこまで続く"韓流ブーム"

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    韓国観光公社のCMに起用され日本のお茶の間に登場するイ・ビョンホン㊧とチェ・ジウ

 韓流ブームが続いている。火付け役となったペ・ヨンジュン主演『冬のソナタ』は再々放送にも関わらず高い人気を誇り、韓流スターも続々日本上陸する。韓国観光公社も韓流スターを起用した韓国観光CMの放映を開始するなど、人気は加速化している。

 とどまるところを知らない韓流ブームだが、その火付け役『冬のソナタ』の再々放送も人気上々だ。19日放送の第11回(全20回)の視聴率は17・6%で、過去最高を記録した。DVDもすでに10万セットを発売。NHKは2003年度の連結決算(2003年4月~2004年3月)で、『冬のソナタ』関連のDVDや小説の販売だけで約35億円の収入を記録している。

 また日本経済新聞が先日発表した今年上半期の「ヒット商品ランキング」の中でも、ペ・ヨンジュンが2位に選ばれた。

 ペ・ヨンジュンが来日した4月以後、新聞各紙や雑誌でも頻繁に特集が組まれており、冬ソナの「純愛」がなぜ日本のファンを魅了したのか、分析も盛んに行われている。ペ・ヨンジュンは4月にそれまでのハンシン事務所との契約を解消、元マネージャー2人が設立した新会社への移籍を決定した。日本での宣伝担当会社も決定し、7月からは日本のテレビCMに登場するなど、日本への進出を本格化させようとしている。

 同じ冬ソナに出演し、「第二のヨン様」といわれる歌手でタレントのパク・ヨンハも、日本進出を決めた。20日に横浜で行われたトーク&ミニライブには7000人が集まった。ファーストアルバム「期別」も発売されるなど話題を集めている。日本の人気歌手・中森明菜も、パク・ヨンハの曲をカバー。また朝鮮朝時代の女性料理人をテーマにした大ヒットドラマ「大長今」も10月NHKで放映される。

 韓国は97年の経済危機以後、国をあげて文化産業育成を行った。映画産業への支援・育成、ゲーム産業支援などに取り組んできたが、それが結実する形で90年代後半から「韓流」と呼ばれる韓国エンタテインメントブームが中国、台湾などで起きた。日本でも「シュリ」のヒットで韓国映画ブームが90年代後半に起きたが、今回の「冬ソナ」ブームで韓流が日本上陸。

 韓国観光公社は「韓流」をテーマに日本からの観光客を呼び込もうと、観光大使に冬ソナの主演女優チェ・ジウと『オールイン』の主演俳優イ・ビョンホンをCMに起用した。2人が「韓国で会いましょう」と呼びかける新CMは20日に放映が始まり、話題を呼んでいる。
 
 各旅行会社もロケ地ツアーに力を入れており、昨年、新型肺炎SARSやイラク戦争の影響で落ち込んだ観光客を、今年は一気に盛り返しそうだ。

 韓国で1200万人を超えるヒットを記録した超大作『シルミド』と『ブラザーフッド』が、日本で相次いで公開される。『シルミド』は今月上旬公開されてヒットしているが、26日公開の『ブラザーフッド』は人気俳優のウォンビンとチャン・ドンゴンが共演しているとあって、女性ファンの話題を特に集めている。

 『ブラザーフッド』の制作費は韓国映画史上最高の14・4億円だが、最初から韓国での1000万人動員、そしてアジアを視野に入れた韓流スターの起用で大ヒットを計算していた。派手な戦闘シーンは米国を視野に入れたものだが、その狙い通りに9月、米国公開が決定した。

 韓国市場の10倍といわれる日本市場、そして世界にどう世界に進出していくか、韓国映画界の挑戦は、アジア映画界の未来を占う挑戦でもある。