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2004/06/18

<韓国文化>韓国の人気ベストテン

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◆ 映 画 ◆

 1位の「トロイ」が破竹の勢いで観客を動員している。2位は林権澤監督作品。「酔画仙」でカンヌ映画祭監督賞を受賞して以来、次回作に関心が集まっていた。前作の「春香伝」そして「酔画仙」と韓国の伝統的な美を描いた林監督だったが、今回は韓国の現代史にスポットライトを当てた。同作品も今年9月に開催されるベニス国際映画祭に正式招待された。ただし、興行的には今一歩苦戦している。

 3位は、警察官の主人公が“手のひらから出る気”「掌風」を武器に、社会の悪と戦うストーリー。善と悪の対立と主人公の成長物語…とストーリーは極めて明解。

 注目すべきはワイヤーアクションとCGを駆使して、ソウルを舞台にファンタジーあふれる作品に仕上げたリュ・スンワン監督の手腕。CGを利用したシーンが全体の3分の1を占める。

 昨年「殺人の追憶」で最高の演技を見せたソン・ガンホとムン・ソリ共演の「孝子~」。30年前の韓国。その激動の時代、韓国という“国”が経る様々な出来事と“ある個人”の生活でたどる。

 平凡な生活を営む主人公は大統領府に近い場所で理髪店を営んでいたことをきっかけに世相に巻き込まれることになる。家族のため、息子のため奔走する主人公は悲哀に満ちているが彼はいつでも笑顔を絶やさず、それが胸を突く。演出力そしてソン・ガンホの演技力に関心させられる。

 先ごろ終ったカンヌ映画祭で、査員特別賞を受賞した「オールドボーイ」と共にコンペ部門に出品されたのが10位。映画祭では大きな評価を得るにいたらなかったが、「“不可解な人間行動”を描かせたら右に出る者はいない」とフランスの映画評論家たちから称賛を浴びた。

◆ 書 籍 ◆

 一時のビジネス関連書籍オンリーに取って代わって、最近は教養、エッセイの類に人気が集まっている。3、4、7位などは主婦層のランキングではさらに上位に上る。

 教育熱は過熱する一方で、夫婦で子育てをする環境はいまだ根づいていない韓国。「仕事で忙しい夫には頼れない」と子育て、子供の教育問題に右往左往する母親のバイブルになっているのが3位だ。

 インターネットサイトを通じて、安くて栄養満点の料理を紹介している著者らによる本が4位と7位にはいった。

 4位は長い無職生活で身につけた無駄を省いた料理の数々が紹介されている。ケジャンやカオリ和えなど、メニューを見る限り、著者が男性とは誰も思わないであろう。

 7位はインターネットでも数多くのレシピを紹介して人気の高い料理家による料理本。家族の誕生日、父母の日(オボイナル)など、とかく人を招いての食事の機会が多いお国柄ゆえに、多いに役立つ1冊なのだろう。

◆ 音 楽 ◆

 1年2カ月ぶりに6枚目のアルバムを発売したN・R・G。この間メンバー各自が映画主演やバラエティー番組出演など多能ぶりを発揮した。新アルバムからのカット曲「大韓~」はサビのメロディーが馴染みやすいダンスミュージック。2004アテネ五輪に出場する代表選手らへの応援歌的要素もある。

 全曲がメンバーによる作曲というアルバムで“新人らしからぬ”デビューを果たしたF-ivが、2枚目のアルバムを発表。今回は一変して全て国内の有名作曲家に依頼。Bigmamaやノウルへの楽曲提供でお馴染みのキム・ドフンが曲を提供。ウン・ジウォン、ウ・ヨンソクなどがラップやコーラスで参加したのも話題に。

 デビューアルバム「The First Journey」がロングセラーのヒットとなっているTei。ファーストカット曲の「愛は香りを残して」についで「似た人」も支持を得ている。

 シチュエーションコメディーへの出演で“市民権”を得たMCモン。もともとはヒップホップグループでデビューした彼が念願のソロデビューを果たした。貧しかった幼少の頃の話や不遇のデビュー時代など、ラップを通して悲哀を歌うも滑稽さが見え隠れするのが彼の魅力。

 しかし、アルバムは、BabyBoyやMadSoulchildといった米国のヒッポホップのアーティストが楽曲を提供するなど完成度が極めて高い。