◆ 映 画 ◆
久々に洋画が1位となった。韓国映画の新作には動員力がなかったようだ。
2位はキム・レオン主演。ひょんなことから16歳の女子高校生(ムン・グンヨン)と結婚するはめになったイケメン男を演じる。飛び交う台詞のリアルさでキャラクターに親近感が湧く。
前回出演作品がホラー映画で、どちらかというと暗いイメージがあったムンが、今回溌剌とした女子高生を演じて等身大の魅力を発揮した。
ソウル江南地区の土地価格高騰を招いた原因ともされる教育問題。名門といわれる学校が同地区に集まっていることから、“江南留学”などという流行語も出た。そういう世相を反映させた映画が3位。
タイトルは中国古代の哲学者、孟子の“孟母三遷”の故事に由来。孟子の母が三度居を移して孟子を教育したという意味で、映画の主人公も愛する息子のため、より良い環境を求めて引越しを繰り返す。「悪い男」など社会の落伍者を演じたら右に出ない(!)チョ・ジェヒョンの奔走ぶりがおかしい。
一時の勢いはないといえ、いまだ上位にランクする「太極旗~」。「ブラザーフッド」のタイトルで日本公開も近い。5日現在で1107万人を動員し、文字どおり韓国映画の最高峰にのぼりつめた。昨年12月公開の「シルミド」も10位とロングランを続けている。
◆ 書 籍 ◆
MBC・FMラジオの人気プログラム「イ・ソラの音楽都市」の同名タイトルのコーナーから生まれた2位。同コーナーの作家李ミナが3年半にわたって書き続けてきた男と女の物語が、1冊の本になった。
すでに放送では500編余りの物語が紹介されているが、中でも人気のあった101編が「出会い」「愛」「別れ」「追憶」のテーマ別に編集されている。同コーナーを聴きたくてダイヤルを合わせるリスナーも多いという。
4位には2001年の東仁文学賞受賞作。今回改訂版がランクインした。名将・李舜臣将軍が一兵卒の地位で戦地の赴いた1597年から1598年に戦死するまでの2年間を物語った小説。
希代の英雄将軍にも「勝っても、負けても待っているのは死」という壮絶な内面の葛藤があった。そのことを描き李将軍の軍人美学に迫る。同書を原作にテレビドラマ化も決定している。
芸能生活40年を超すベテラン女優・金恵子。CMなどで“理想の母親”としてのイメージが定着している彼女が、10年にわたって世界各地の難民保護、児童保護のボランティアを続けていたことを知る人は少ない。
貧しくとも笑顔を絶やさない子供たちを見つめてきた10年間のエッセイは、どんなドキュメンタリーよりも心を揺さぶるものがある。
◆ 音 楽 ◆
1位はアイドルグループを輩出するSMエンターテイメントが2004年送り出した東方神起。5人メンバーはいずれも美形ぞろい。歌唱力もバランスがとれ、ハーモニーで奏でるバラードが女子中高生の間でヒットとなった。
久々の新譜をたずさえてソテジが帰ってきた。7枚めのアルバムのコンセプトが反映されている「ロボット」は、長いロングランヒットとなっている。
幼いころに自分が持っていた純粋さは、年齢を重ねるにつれ失われていく。その変化を自分では止められない無力感と悲しみを歌う。
ヒップホップにこだわって作品を発表し続ける1TYM。キャリアは長いがここに来てその実力が開花したかのように順調なセールスをあげている。今回は初めて自分たちでプロデュースを担当した。
1TYMが所属するYGエンターテイメントはブラックミュージックをベースにしたアルバム製作で知られる。昨年はまさにYGの1年。ビッグママ、SE7EN、ヒィソン、そして8位にランクしているLexyと大型アーチストを生み出した。今年もYG軍団の音楽は注目を集めることになりそうだ。