◇ 映 画 ◇
朴正熙軍事政権下の71年に実際に起こった実尾島事件を題材に製作された作品が1位。
朴政権が北朝鮮に侵入する工作部隊を組識する。政府の方針転換で見捨てられた隊員らは教官らを殺害、一路ソウルを目指す。ソル・ギョング、アン・ソンギほかが主演。
映画は観客動員数900万人を突破し、1000万人突破も時間の問題だ。今の時代には消え去って久しい“強い男性像”または“父性”に対する郷愁を刺激する場面が多く見受けられ、自由を享受しながらも、寄りかかれる場所を求める若い世代には惹かれるところがあったのか。
魅力的なキャスティングで好調なのは2位。「出ればヒット」の異名をとるクォン・サンウ主演。
70年代末の韓国で高校生活を送るヒョンスの青春グラフティー。大人への成長過程で誰でもが経験する痛みが丁寧に描かれ、単なる「懐かし映画」にならなかったのは評価できる。
◇ 書 籍 ◇
ベストテンの顔ぶれがほとんど実用書。また国内図書が息を潜めたランキングとなった。目につくのは日本人著者による実用書。1位はここ数ヶ月総合部門でトップを守る。8位と10位はそれに便乗して販売が堅調なケースだ。
2位と3位も海外からの実用書でここ数ヶ月ランキングの常連。6位は数年前話題となった「チーズはどこに消えた」の作者の新刊。日本でも発売されている。
韓国人の“本離れ”も久しいが、ここ2、3年はバラエティー番組が国内図書を推薦するコーナーが人気を博し、若い年代層を中心に番組で紹介された図書が読まれる風潮が続いた。テレビの影響とはいえ、本を手にする機会が増えるという好ましい現象だったわけだが、今年にはいってこのコーナーが姿を消した。
小説部門のランキングでも国内図書は弱く、海外小説がシェアしている寂しい状況だ。
◇ 音 楽 ◇
1位はMC the MAXの2枚めのアルバムからのカット曲。ムーンチャイルドでデビューしたが、メンバー間の音楽性の違いなどからグループが再編成され、事務所も変わってあらたにスタートを切った。日本のアーティストとの親交も深く、安全地帯やYOSHIKIなどと共同で作品を製作したこともある。
2位はクール。彼らの定番アルバムは夏で、冬は企画アルバムが発表される。この企画アルバムも今回で3枚目となった。水彩画を思わされる叙情的な詞の今回の作品で彼らの底力を感じる。
6位チャン・ナラ。アルバム「3番目の物語」からのカット曲。アイドルながら安定した歌唱力。安心して聴いていられる。
7位のイ・スヨン。秋にアルバムを出したばかりだが、国内での活動を休止して日本進出にはいることから、ファンへの感謝の気持ちを込めたアルバム「クラシック」をこのほど発表した。