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2005/10/28

<韓国文化>国際ショパンコンクール3位・韓国ピアノ界の新星

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      第15回国際ショパンコンクールに3位入賞した兄のイム・ドンミン

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      同じく3位入賞した弟のイム・ドンヒョク

 第15回国際ショパンコンクールで3位に入賞したイム・ドンミン(25)とドンヒョク(21)の兄弟は、韓国ピアノ界の新星として注目を集めてきた。11月には2人とも来日公演が予定されている。

 イム・ドンミン、ドンヒョクの兄弟は、父親の転勤の関係で10代前半の時にモスクワに渡り、モスクワ音楽院に入学した。ロシア人ピアニストのもとで厳しいレッスンに励み、才能を開化させてきた。

 先に認められたのは弟のドンヒョクだ。2000年にイタリアで出会った世界的ピアニストのマルタ・アルゲリッチがその才能に驚き、自身のコンサートにイムを出演させるなどした。

 2001年12月、ロン=ティボー国際音楽コンクールに弱冠17歳で出場し1位を勝ち取る。その後、フランスのほとんどの音楽雑誌で表紙を飾るなど、「天才少年」として世界の注目を集めた。

 昨年はソウル、大邱、大田など韓国の主要都市でリサイタルを開いている。デビューCDは日本でもすでに発売されている。

 兄のイム・ドンミンは2002年のチャイコフスキー・コンクールで5位入賞、チョン・ミョンフン以来2人目の韓国人入賞者となった。2004年の「プラハの春国際音楽コンクール」でも第2位に入賞している。2002年11月にロンドンで初リサイタルを成功させ、今年5月には日本での初リサイタルも成功させている。

 今回のショパンコンクール本選で、ドンミンは「ピアノ協奏曲第1番」に挑んだ。ショパンに傾倒しているというドンミンらしく、表現力豊かな演奏を披露すると、会場からは大歓声が起きた。弟のドンヒョクも「ピアノ協奏曲第2番」の卓越した演奏で、聴衆を魅了した。

 なお韓国の若手女性ピアニスト、ソン・ヨルム(19)は、本選出場を果たしたが入賞はならなかった。

 ちなみに優勝したラファウ・ブレハッチは「マズルカ」「ワルツ変ニ長調」などを披露、会場を圧倒する演奏にスタンディングオベーションが鳴りやまなかった。
 
 イム・ドンミンは、11月4日午後7時から横浜のみなとみらいホールで行われる「第24回横浜市招待国際ピアノ演奏会」にゲスト出演。ショパンコンクール本選で演奏したピアノ協奏曲第1番を披露する。

 またイム・ドンヒョクの「ショパンリサイタル」が11月23日午後3時、東京・紀尾井町の紀尾井ホールで開かれる。問い合わせはラヴォーチェ℡03・6255・3388。

 さらに来年1月には「ショパン国際コンクール入賞者によるwithワルシャワ国立フィル」が20日・横浜みなとみらいホール、22日・東京オペラシティコンサートホールで開かれる。1位のラファウ・ブレハッチはじめ入賞者6人が出演予定だ。

◇ショパンコンクール◇

 世界で最も難しいといわれる「ショパン国際ピアノコンクール」は、5年に1度、ポーランドのワルシャワで開かれる。同コンクールからはこれまでアシュケナージ、ポリーニ、アルゲリッチといった世界的なピアニストが生まれており、優勝者は一夜にして世界の注目を浴びる。

 コンクールは、10月17日のショパンの命日の時期にあわせて3週間にわたって行われる。予選では独奏曲、本選ではオーケストラと共演するピアノ・コンチェルトが課題となる。順位が発表された後、改めて入賞者によるコンサートが行われる。韓国、日本、中国圏のアジアからの参加者がこの間増加傾向にある。