韓日友情年2005を記念して、現代ダンスの韓日交流も盛んだ。東京の青山円形劇場では、27日から来月初めにかけて韓日若手ダンサーが競演する「日韓ダンスコンタクト」と「コリア・ダンス・ミュージアム」が開催される。一方新国立劇場ではコンテンポラリーダンス「舞姫と牧神達の午後」が16日から上演され、韓国からは第4回世界バレエ&モダンダンスコンクールで銀メダルに輝いた朴垠星(パクユスン)&金成用(キムソンヨン)のペアが参加する。
韓日のダンス交流は1926年、石井漠の京城(現ソウル)公演に大きな影響を受けた崔承喜(チェスンヒ)や趙澤元(チョテグォン)らが、韓国で創作舞踊に挑戦し、崔承喜と石井漠が交流を始めたときに始まったといわれる。
しかし、日本の太平洋戦争突入、そして敗戦、韓半島の南北分断という不幸な歴史の中で、交流は途絶えてしまった。韓国のダンスは、この時代に対する危機感をバネに、米国留学経験のある陸完順(ユクワンスン)が韓国に戻って普及させていった。
また60年代から各地の大学に舞踊科が出来、徹底的に身体能力と感性の育成をはかり、確かな成長を続けて今日に至っている。長く空白状態にあった韓日ダンス交流は80年代から盛んになり、意欲的なプログラムが組まれるようになった。
今回の「韓日友情年記念コリア-ジャパン(K-J)ダンスフェスティバル」は、青山円形劇場が、韓国のフェスティバルディレクターでありシアターゼロの劇場長の沈哲鍾(シンチョルジン)氏と、韓国現代舞踊振興会理事の陸完順氏の協力を得て、韓国から総勢50人余を招き開催するものだ。
韓国と日本の若い才能が同時代を交流する「日韓ダンスコンタクト」は、まだ活動の場が少ないけれど時代の中にキラメキを放つ作品を創っている韓日の若いダンスアーティストをセレクトし、ソウルと東京で交互に上演している企画で、最近は韓日の単なる作品紹介だけでなく共同で作品を創る試みもはじめている。
また、このプロジェクトはソウル・シアターゼロと東京・青山円形劇場が劇場そのものをプロデュースし、ソフトの交流や共同創作など多方面にわたって提携していく一環である。
ナム・スジョン舞踊団団員の尹承恵(ユンスンヘ)が振付・出演し、シェークスピアのマクベスに題材を取った「眠れないマクベス」、龍仁大学講師の兪宣植(ユソンシク)振付・出演による人間の進化ををテーマにした「二足動物」などの意欲作が登場する予定だ。
一方、「コリアダンスミュージアム」は、韓国現代舞踊振興会理事の陸完順氏が、韓国に現代舞踊を根付かせる活動を始めて40年の集大成を紹介する公演である。
このプロジェクトはソウルで今春開催され、写真展示、ワークショップ、フォーラム、公演など、様々な切り口で一週間余にわたって繰り広げられたものだ。
東京ではわずか2日間の公演となるが、特選した全10作品は韓国現代ダンスの歴史のアンソロジーとも言える代表的な振付家と代表的な作品を集めている。
陸完順がシルクロードの神秘的な美しさに思いを馳せて作った「シルクロード」、振付家の金允貞(キムユンジョン)が故人となった妹にささげて振付・出演する「Farewell Image」などが上演される。また上演に併せて、ダンスフォーラム「韓国ダンスの現在―韓国コンテンポラリーダンスはどこへ―」も開催される。韓国現代ダンス40年の歴史を検証し、未来を展望する企画だ。
新国立劇場のダンスコンサート「舞姫と牧神達の午後」は、独自の個性と高度なダンステクニックを持った世界のダンサーを集めた競演企画。
韓国から出演する朴垠星と金成用のペアは、第4回世界バレエ&モダンダンスコンクールで銀メダルを受賞している。今回発表する「Where is my moon」は、身体の動きの強弱から醸し出される限りないメランコリックな空気が客席を魅了する。
日韓ダンスコンタクト=27、29日の午後7時
コリア・ダンス=10月1日、3日の午後7時
場所・青山円形劇場
料金:3,500円(全自由席)。
℡03・3797・5678(青山円形劇場)。
*フォーラム「韓国ダンスの現在」は10月1日午後2時、入場無料。℡042・571・5652(NPO-DAM)
◆舞姫と牧神達の午後◆
日時:16日午後7時、17日午後3時、18日午後3時、19日午後3時の4回
会場:新国立劇場小劇場
料金:A席5,250円、B席3,150円
℡03・5352・9999(ボックスオフィス)