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2005/04/15

<韓国文化>韓日現代作家の競演

  • bunka0415.jpg

    魚田氏の作品 (c)Ecdysis and Rebith 3000×900×900 Mixed Media

 「HOPE-日韓交流美術展」が、(韓国文化院とノアズ アーク アートの共催)で、19日から23日まで東京・南麻布の韓国文化院で開催される。特別出品作家3人を含む韓日両国61人(韓国31人、日本30人)の作品を一堂に展示する試みで、韓日の友好親善と両国作家の交流を目的とした美術展だ。

 今回の展示会を企画したのは、「ノアズアークアート」の小林さか江さんだ。

 小林さんは美術関係の仕事を行う中で光州ビエンナーレなど韓国で行われている国際的な現代美術展と関わり合い、韓国には優秀な現代美術作家が多数いることを知って、韓国との交流を始めるようになった。

 今回の展示会は小林さんが、韓日両国の友好関係と平和を願い、また未来を担う若手作家の交流・発展に寄与出来ればと考えて企画し、韓国文化院主催という形で実現した。

 韓国2人、日本1人の3人の特別出品作家のほかに日本で学ぶ韓国人美術留学生13人も出展する。

 小林さんは「両国の歴史や文化の違いが現代美術にどう反映されているか、58人の展示を通じて感じてもらえればと思う。韓日交流を促進する一助になればうれしい」と話す。

 特別出品作家は韓国側が許ファン・新羅大学校教授(釜山ビエンナーレ運営委員長)と現代画家の李誠九さんの2人だ。

 許さんは釜山市立美術館長、釜山市美術協会長、ソウル文化部企画委員、新羅大学学長などを歴任。
 
 李さんは弘益大学校美術大学西洋画科、多摩美術大学大学院版画科を卒業。2002年の第5回BHARAT BHAVAN国際版画ビエンナーレで最高賞を受賞しており、現在は弘益大学美術大学版画科兼任教授を務めている。

 日本側の特別出品作家は、前衛画家の魚田元生さんだ。「人間とは何か」をテーマに作家活動を続け、箱の中に液体が入り、そこに生ゴム製の皮が浮かび、次第に溶けてなくなっていく作品や、バラバラにしたラテックス製手足を吊り下げた作品など超前衛とも評価される作品を次々と発表し、国際的に高い評価を得てきた。

 80年代後半から韓国の現代美術家との交流を深め、ソウルや釜山で展示会を開くなど、韓国でも高く評価されている。また多摩美大で韓国人留学生の指導を行うなど、韓日交流にこの間尽力している。
 
◇魚田元生◇

 韓国の作家の方々とは25年間交流を重ねてきた。美術教育の一環で、作品を作り批評し合う中で交流を深めるアートキャンプというのを行っているが、そのキャンプを7年前から韓国でも開催している。

 韓国の学生は大陸的というか大胆な作風の人が多く、日本の学生と比較して面白い。美術は生い立ちに影響されることが作風や作品を見るとよくわかる。

 韓日の美術家が手を組んで、世界にアジアの風を発信していきたいと、常々考えている。その第一歩として今回の作品展を見てもらえればと思う。

 同展と並行して李誠九さんの個展が、16日から24日まで東京・小金井のギャラリーブロッケンで開催される。問い合わせは、℡042・381・2723(ギャラリーブロッケン)。

◇HOPE日韓交流美術展◇

日程:4月19日~23日
会場:韓国文化院(東京・南麻布)
入場料:無料
℡03・5476・4971。