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2005/03/25

<韓国文化>中世アジア結んだ"海の道"

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            「青磁象嵌菊花文四耳壺」 高麗時代
            (山口県立萩美術館・浦上記念館蔵)

 韓半島、日本、中国、琉球などの国・地域の人々の、12世紀から16世紀にかけての海洋交流の歴史を紹介する企画展「東アジア中世海道-海商・港・沈没船」(主催は国立歴史博物館、毎日新聞社)が、千葉県佐倉市の国立歴史民俗博物館で23日に開幕する。考古資料、陶磁器、絵画、文書など約600点が展示されている。

 アジアの海は古くより地域と地域を結びつけ、人、もの、文化、技術などの交流の場となってきた。16世紀の東アジアでは、国と国とが結びつくだけでなく、国境や国籍を意識しない海商たちの活動を通じて、地域と地域がさまざまな形で結びついてきたのである。この時代は海の交流を礎に、アジアがもっともきらめいた時代といえる。今回の展示会では、東アジアの海を舞台に、国や地域、人々が相互に影響を与えながら、どういう交流を育んできたか、各国の博物館などから集めた約600件の資料を通して浮き彫りにする。

 韓国からは、韓国国立博物館に所蔵されている「新安沈没船」の資料が展示される。1323年、元から博多に向かう途中に韓半島南西の海で沈没した貿易船から引き上げられた中国陶磁器や銭、香料などだ。近年韓国で発見された莞島沈没船資料、道里浦引揚資料、飛雁島引揚資料など日本初公開の貴重な資料が展示される。

 ほかに和歌山市沖や奄美大島(鹿児島県)沖の沈没船から見つかった陶磁器、山口市を拠点にしていた大内氏が明や朝鮮との貿易で使った印、日本の街を歩く南蛮人を描いたびょうぶなどが展示される。

 展示は大きく4つのテーマで構成されている。第1は「世界の中の東アジア」。ここでは古地図などを通して当時の人々がどういう世界観を持っていたかを探る。東アジアの国々や地域が、自らの世界をどう意識したか、東アジア以外の世界からはどう見られていたのかを考える。

 第2テーマは今回の展示会の目玉で、日元貿易のタイムカプセルともいえる韓国の新安沈没船資料などを紹介する「湊と船-往来する人ともの」である。

 第3テーマは「世界を動かす貿易と文化」。貿易の原動力となった香料、銀、中国銭などを通して見えるアジアの地域像について考える。

 そして最終章は「中華の波及と変容」である。中国王権の象徴である龍と獅子が、アジア各地にどう伝わり、独自の変容をとげたかを示す。

 会期中には各種講演会、横浜中華学院校友会メンバーによる獅子舞の実演も行われる。
 

◇東アジア中世海道-海商・港・沈没船◇

会期:3月23日~5月22日(5月2日を除く月曜日休館)
場所:国立歴史民俗博物館(千葉県佐倉市)
交通:京成佐倉駅から直行バス
入館料:一般1,200円、高校・大学生800円、小中学生400円℡03・5777・8600(ハローダイヤル)