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2006/05/12

<韓国文化>人間としての価値伝えた作品

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    イ・ヨンエ 1971年生まれ。大学時代からCMモデルとして活躍。93年女優デビュー。2001年『共同警備区域JSA』に主演。テレビドラマ『大長今』(宮廷女官 チャングムの誓い)のヒットで国民的女優に。

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    イム・ホ 1970年生まれ。韓国・中央大学映画科卒。93年デビュー。時代劇から現代劇まで幅広く出演。

 韓国ドラマ「宮廷女官 チャングムの誓い」の主役を演じた人気女優、イ・ヨンエ(李英愛)と、中宗王役を演じたイム・ホ(林湖)にチャングムの魅力、撮影の苦労などを聞いた。

◆「チャレンジ精神で」チャングム役 イ・ヨンエ◆

 ――来日は5年ぶりだが。

 イ・ヨンエという女優のことを忘れずにいてくれたファンの皆さんに、心から感謝の気持ちを伝えたい。
 
 ――イ・ビョンフン監督が撮影中、体調管理をきちんとしてくれたことに感謝していたが?

 ドラマというものは、出演者も重要だが、ドラマ自体を引っ張っていく、船で言えば船長である監督が、一番重要な役割をされたと思う。

 この作品を通じて、監督から非常に多くのことを学んだ。それと撮影は非常に困難を極めたが、ドラマ自体の人気が高かったので、それが自分を支えるエネルギーとなって後押ししてくれたのだと思う。ただ、本当に大変だったので、ドラマの撮影が終わってから10日間くらい寝込んでしまった。

 ――自身が選ぶベストシーンは?

 すべてがベストシーンだと思っているが、なかでもチャングムが味覚を失って四苦八苦するシーンが印象に残っている。味覚を確かめるために熱いお湯を飲むシーンがあるが、本当の熱湯で驚いた。

 ハン尚宮の最期も印象に残っている。ハン尚宮を演じたヤン・ミギョンさんは実際にもハン尚宮のような人で、93年のドラマデビュー作でも共演させて頂いた本当に素晴らしい先輩だ。

 ――どんな映画が好きか?

 チャップリンのような笑いあり、涙ありの喜劇が好きだ。『チャングム』もそんな部分があると思う。日本の映画では宮崎駿監督のアニメが好きだ。

 ――食べ物で好物は? 

 トッポッキ、ジャージャー麺、とんかつが好きだ。トッポッキは『チャングム』にも登場したが、当時はコチュジャンではなく醤油味だった。トッポッキは韓国、ジャージャー麺は中国、とんかつは日本の料理なので韓日中の料理が揃ったことになる(笑)。

 ――今、関心のあるジャンルやテーマ、今後演じてみたい役は?

 『チャングム』の後に『親切なクムジャさん』への出演を選んだ最大の理由は、女優として非常に幅の広い役、多彩な色を表現できるというところにあった。結果的に満足のいく出来だったし、それくらい熱中して作品にも取り組んだので、次はじっくり考えたいと思っている。

 ――最後にファンにメッセージを

 韓国や日本だけではなく、アジアの国々で『チャングム』が人気を得ているのは、良い作品というものは国籍や言語、民族を越える力、普遍的な人間としての価値を伝える力があるからだと感じている。『チャングム』をそういう作品として見ていただければ、非常にありがたく思う。

  
◆「食事のシーン苦労」中宗王役 イム・ホ◆

 「チャングムの誓い」の魅力を語ると、まず人々が生きるに欠かせない食を、韓国の人が見てもためになるように紹介したことがあげられる。

 そしてチャングムという女性が一人の人間として成長する姿に、出演者はもちろん、視聴者から大きな共感が寄せられた。

 演じて大変だったのは、前半は宮廷の厨房「水刺間(スラッカン)」が舞台で料理を食べるシーンが多いので、いかにおいしそうに食べるかということ。また「マシイックナ(おいしい)」というセリフが何度も出てくるので、その言い方にも気をつかった。

 そして後半は、王の立場でありながらチャングムを愛する三角関係が生じるが、王の威厳と孤独をいかに保ちながら、いかにチャングムを愛するか、その演技に気をつかった。

  
◇チャングムの誓い◇

 16世紀初頭、朝鮮朝の宮廷に仕えた女官チャングムが、宮中に渦巻く不正や陰謀に果敢に立ち向かい、一介の料理人から王の主治医まで上りつめるサクセスストーリー。「薬食同源」の考えに根ざした宮廷料理や女官の世界とともに、数々の試練を克服する主人公の姿が、幅広い人々の人気を呼んでいる。現在NHKで放送中。