日韓親善協会・韓日親善協会の第30回合同総会を記念して、写真展「双国の貌(そうこくのかお)―日本と韓国の石仏」(東洋経済日報社後援)が、10月22日から11月2日まで在大韓民国日本国大使館公報文化院で開かれている。写真家の小坂泰子さんが長年にわたって撮影した石仏の写真展だ。
小坂さんは九州の国東半島にある磨崖仏(熊野大日如來像)と出会い、岩に彫られた仏像に魅せられた。その後、1985年に韓国を訪れ、慶州南山のひとつ三陵溪谷の懸崖に彫られた磨崖仏(如來坐像)を目にしたとき、日本の国東半島の磨崖仏に似ていると直感して以来、韓国と日本の石仏に内在する「似ているもの、似て非なるもの」を撮影してきた。今回、韓国では初めての展示となる。約95点を展示。
韓日両国の石仏の写真からは多数の類似性を見つけることができ、6世紀に韓半島から日本に仏教が伝わって以来、韓日両国間に活発で持続的な人的、文化的交流が行われてきたことを示す。
「『隣国から学んだ』石仏を『真似てきた』、そして『学び返す』ことは、お互いを大事に思う誠実な心のあらわれ」と小坂さんは語る。
会場は在大韓民国日本国大使館公報文化院2階シルクギャラリー。
◆「歴史に思いを」小坂泰子さんの話
「この石仏群の中に一枚の銅像の仏像、飛鳥大仏があるのは、この展覧が仏教伝来から始まっているため。飛鳥大仏は、日本で最初の本格寺院の飛鳥寺のご本尊。2・75㍍と大きく、初めから頬に傷のある仏像。百済から日本への仏教伝来を象徴するもので、仏像は、韓国百済瑞山磨崖三尊像と微笑みと法衣の結び目がよく似ている。石仏の写真を通して双国の深く長い歴史を感じてもらい、この写真展が相互理解を発展させる一助になればと願う」
こさか・やすこ 大阪市生まれ。85年韓国の石仏の美しさに感動し、以後、石仏の撮影を始める。2002年東京で「韓国の貌」展。日本写真家協会・日本石仏協会・日韓女性親善協会会員。