在日の有志などによる時調の会が、「時調」第8集をこのほど発行した。その中から数編を紹介する。
時調(三行詩)の会は、時調という韓国の古典的定型詩を、在日の文化として実践し、韓日文化交流にも寄与することを目的につくられた。
時調は、高麗王朝後期の14世紀後半までに成立した詩型で、音数率の基本は初章・中章・終章で計43音の3行詩の組み立てになっている。音数が5・7・5・7・7の31音である日本の「短歌」に比べると、12音長い。時調は自由律の短歌であり、短歌が「歌う」のに対し、「語る」ことがむしろ強調されている。
在日の時調の会は在日コリアンが主要メンバーで、日本語での表記が主になるので、本場・韓国の時調とは少し違い、1行17文字前後で3行を主につくられている。
「日本語と韓国語の語法やリズムなどの違いから、完全には韓国時調の規則に従えないこと、また決まりや技術に縛られず、同好の仲間の自由な表現を大切にしたいから」と会では説明している。
昨年は同人の金一男氏のハングル時調が、韓国の有力時調団体である『時調生活』の新人文学賞を受賞するなど、作品が高く評価されている。
時調第8集は頒価1000円(送料込み)。毎年3月に刊行している。国籍、年齢を問わず会員になることができる。年会費3000円。連絡先は〒210-0846 川崎市川崎区小田1-13-4金方、「時調(三行詩)の会」幹事会事務局。FAX044・355・6907。