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2007/02/16

<韓国文化>青森舞台に韓日交流描く

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    映画『素敵な夜、ボクにください』から、主演のキム・スンウ(右)と吹石一恵

 韓日の人気俳優、キム・スンウと吹石一恵が共演したスポーツ&ラブ・コメディ映画『素敵な夜、ボクにください』(中原俊監督)が、24日から全国公開される。カーリング・チームの日本人選手と韓国人コーチを主人公にした作品で、韓日友好の視点も入れた娯楽作だ。韓国人留学生役で出演した在日3世の俳優、飛坂光輝さんに話を聞いた。

◆「両国で活躍したい」 留学生役の在日3世 飛坂 光輝さん

――韓国から青森への留学生だったが。

 準主役という大役をもらったのは初めてだったが、大きなトラブルもなく、青森の人たちに支えられながら撮影に臨むことができた。中原監督からは、自分の撮影シーンが終わっても最後まで残って他の出演者の撮影シーンを見るように言われ、撮影現場に最後までいた。映画を勉強させようという監督の親心だと思う。

 韓国人留学生という役なので、日本語を下手に話すのに苦労した。韓国語は、ソウルの延世大学に留学して学んだ経験があるが、ネイティブな発音に聞こえるよう、韓国ドラマを見て練習したり、後で入れ直したりした。

 ――キム・スンウさんや吹石一恵さんはどんな人。

 キムさんは、とても気さくで親しみやすい人だった。撮影になるとオーラを出すというか、まったく異質な存在になり、監督も絶賛するほど器の大きさがあった。役者の大先輩という感じだ。「ヒョン」(兄さん)と呼んで、一緒に酒を飲みにいったり仲良くさせてもらった。吹石一恵さんはバリバリの関西人で、とても明るい雰囲気を持った女優さんだ。

 ――俳優になるきっかけは。

 延世大学に留学中、日本人の留学生とバンドを組んでいた。日本に戻ってからそのバンドがスカウトされたが、役者としてデビューすることになった。

 ――どんな俳優を目指しているか。

 2カ国語が一応できるので、その経験を生かす俳優になりたい。韓国語をもっと勉強して、韓国映画に出てみたいし、日本映画で韓国語ができる役者が必要なときは、選ばれる存在になりたい。最近は中国語も勉強していて、中国映画にも出てみたいと思っている。

 また、空手や格闘技を習っているので、韓国語、中国語を話せるアクション俳優として活躍したい。


  ひさか・こうき 1977年東京生まれ。在日3世。本名ウ・ジョンハン。韓国留学を経て俳優に。韓日合作映画『夜を賭けて』などに出演。格闘技、スポーツに堪能。


◆「勇気を与える映画になった」 主演のキム・スンウさん

 日本語を覚えるのが大変だった(笑)。カーリングは未経験だったけれども、「上手く撮ってあげるから」という中原監督の言葉を信じて撮影に臨んだ。完成した映画を見てほめてくれた方が多いが、すべて監督のおかげ。

 青森市民の温かい応援がなければできなかった映画。青森の雪がとてもきれいに映っている。作品を見て幸せな気分になってほしい。多くの人たちに勇気を与えられる映画になったと思う。(舞台あいさつ、ビデオメッセージより)


  キム・スンウ 1969年生まれ。水原大学体育学科、同大学院経営学科卒業。90年『将軍の息子』で映画デビュー。ペ・ヨンジュンと共演したテレビドラマ『ホテリアー』が日本でもヒットし、日本のファンも急増。


■ストーリー■

 韓国のカーリング選手イ・ジンイル(キム・スンウ)は、チームプレーに欠けた態度でメンバー降格を言い渡される。気分転換のため、日本の青森に留学中の後輩パク・ファンソク(飛坂光輝)を訪ねる。韓流スター、カン・スヒョン(キム・スンウの2役)と顔が似ていたことから、女優の木村いずみ(吹石一恵)と知り合い、「素敵な夜」を過ごす。そして、いずみが結成した女子カーリングチームのコーチとなり試合に臨むが…。