女性の手で韓日交流を促進し、両国の相互理解と親善を深めようと1978年5月に発足した日韓女性親善協会と韓日女性親善協会が創立30周年を迎えた。これを記念して23日、都内のホテルで合同総会と記念式典、祝賀会が開かれ、日韓・韓日親善協会のメンバー、駆けつけた女性国会議員ら来賓を合わせて350人が集い、30周年を祝った。韓国と日本の女性団体による交流が30年間の長きに渡って続いてきた例はほかになく、これを機に今後の活動に弾みがつくと大きな期待が寄せられている。
第1部の合同記念式典には、常陸宮妃華子殿下ご臨席のもと、森山眞弓・日韓女性親善協会会長、李堯植・韓日女性親善協会会長、相馬雪香・日韓女性親善協会名誉会長ら関係者のほか、来賓として金慶子・駐日韓国大使夫人、姜基洪・韓国文化院長、越智通雄・日韓親善協会中央会理事長、高村治子・外務大臣夫人、上川陽子・少子化対策・男女共同参画担当大臣、小池百合子・元防衛大臣、野田聖子・元郵政大臣、遠山敦子・元文部大臣、有村治子・参院自民党女性局長、鄭進・在日韓国民団中央本部団長、余玉善・在日韓国婦人会中央会長、橋本久美子・元首相夫人、羽田綏子・元首相夫人らが参席した。
会場は、色とりどりのドレスをまとった女性たちで華やいだ雰囲気に包まれ、韓服(チマチョゴリ)に身を包んだ李堯植会長ら韓日女性親善協会のメンバー39人が入場すると、一斉に春の花が開いたように、ひときわ晴れやかな雰囲気になった(写真・上)。
森山会長は、「30年の歴史を大切に、これからも創立時の気持ちを忘れず、着実に進んでいきたい」と述べ、韓日の友好促進へ、さらに活動を強化していく姿勢を示した(写真・中)。李堯植会長も、「二国間に善隣友好の動きが高まり、未来を志向する成熟した同伴関係を構築していこうという雰囲気が広がり、喜ばしい」とあいさつした。
韓日女性親善協会のメンバーが来日するたびに、常陸宮邸に招いてご引見されている常陸宮華子さまは、昨年400周年を迎えた江戸時代の朝鮮通信使にふれられ、日本は通信使を通じて多くのことを学んだと指摘したうえで、「女性親善協会の学生交流が44回に及び、相互理解と交流が深まり、友情を深めあっていることは意義深いことだと思います。さらに児童画展を通じて次の世代に交流が引き継がれていくことを期待いたします」と祝辞を述べられた。
また、協会の発展に尽くしてきた尹用淑理事、相馬雪香・名誉会長、西藤正子理事、三次節江理事、大根田タミ理事の5人の草創期メンバーに双方の会長から感謝状と記念品が贈られた。
一方、式典の最後に重光真奈美副会長と朴允貞理事が「共同宣言」を読み上げ、さらに女性親善協会の活動を活性化し、成果をあげていくと誓った(写真・下)。
第2部の祝賀会では、姜基洪・韓国文化院長らが出演して韓国の「冠禮・笄禮の儀式」(現在の成年式に当たる)を紹介し、日本側も重要無形文化財総合保持者の観世流能楽師足立禮子さんらによる能舞「羽衣」と仕舞「土蜘蛛」を披露、両国の伝統文化と芸能を楽しんだ。