韓哲文化財団（韓昌祐理事長）の２００８年度助成金対象者が決定した。今年度の対象者は10人で、福祉、音楽家、俳優、学者、映画監督など多岐にわたる。受賞者は以下の通り（申請順）。来年３月に助成金伝達式が行われる。

　村山友宏＝第２次「平成の朝鮮通信使　日韓友情ウォーク」を開催。ソウルから東京まで約１０００㌔を、平和と友情の時代を体験する韓日の市民によるウォーキング。

　趙永壽＝一人の人間として、演劇の本場であるフランスで自分自身がどこまで通用するかを試してみたいと希望、現在はフランス国家認定のプロの俳優。

　清永大心＝日本国内の児童養護施設で演奏し、子供たちに生きる希望や勇気を与える活動を展開中。近くシオン育児園のほか、数カ所の韓国の児童擁護施設で演奏。

　康永洙＝介護が必要な在日コリアン高齢者や支援が必要とされる人たちに対して、居宅介護サービス事業などの福祉事業と、近隣市民との福祉を通じた国際交流や支援事業などを展開。

　戸田郁子＝中国朝鮮族の移住と定着の歴史をたどり、現在の暮らしに至るまで、特に日本との関わりが朝鮮族に及ぼした影響を考察し、インタビューを中心とした構成で出版。

　崔栄津＝日本で知られていない韓国人作曲家たちの価値ある作品を自らの演奏で日本に伝え、また日本の進んだ音楽文化と芸術世界を韓国に伝え、韓日の音楽交流を活性化。

　杉浦康平＝金秀男氏の作品を公開し、韓日のシャーマニズムを比較しながらパフォーマンスを通して交流を図り、相互の異文化理解を深めていく学術的研究と文化交流。

　申桃順＝２年に１度開催される障害を持つ子どもと親の会「ムジゲ（虹の意）会」の全国大会に参加する家族の経済的負担を軽減するため、会員の参加費用を補助。

　金昇龍＝日系ペルー人のコミュニティーをレポートし、またペルー本国の日系人社会を探る映画を撮る。日本人が在日韓国人を見つめなおすきっかけの作品にもしたい。

　前田憲二＝約４００年前の豊臣秀吉による朝鮮侵略を主題に、過去の歴史の過ちを正し、現代の視点から往時を凝視し、歴史に残すべき映像資料として、後世に伝えるドキュメンタリー映画『耳塚』を制作。