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2010/02/05

<韓国文化>上演数増え演目も多様に

  • 上演数増え演目も多様に①

             今年9月に上演される『ライモンダ』

  • 上演数増え演目も多様に②

    『イドメネオ』

 韓国国立バレエ団と韓国国立オペラ団が、2010年公演の演目を発表した。今年は公演数を大幅に増やし、充実したラインアップとなった。

 韓国国立バレエ団は昨年より2演目増やして7演目を上演する。韓国国立オペラ団も定期公演作品を昨年4演目から8演目に増やし、全国公演も拡充する。

2団体が芸術の殿堂オペラハウスで公演を行うのは、昨年の136日から2倍以上増えた277日になる。これは今年度、文化体育観光部が予算を増額したのに伴うもので、文化体育観光部では、「成果を年末に厳密評価し、来年度支援に反映させる」としている。

 韓国国立バレエ団の定期公演に追加された『ライモンダ』(9月25~30日)は、中世フランスを舞台に、伯爵夫人の姪ライモンダをめぐり、十字軍遠征に参加した恋人ジャンと、ライモンダに魅せられたサラセンの首領アブデラフマンが決闘する物語。

 振付家マリウス・プティパの最後の大作で、ロシア古典バレエの集大成といわれる作品だ。大がかりなセットや高度なバレエテクニックが必要なことから、現在、世界的に全幕上演の機会が少ない作品で、国立バレエ団は今年の目玉としてチャレンジする。

 ほかにも古典バレエからコンテンポラリーバレエまで多様な作品を選んだ。フランスの代表的振付家ローラン・プティの『トリプル・ビル』(7月15~18日)も上演される。世界最高峰の振付家であるにも関わらず、韓国でプティの作品が紹介される機会は少なかった。韓国初演となる『トリプル・ビル』を定期公演に入れたのは、韓国国立バレエ団が「多様性を持続的に追求する」意志表明ともいえる。

 『トリプル・ビル』は『アルルの女性』『若者と死』『カルメン』で構成されている。特に『若者と死』は、舞踊家の感情表出を重視する現代舞踊の影響が伺える。『カルメン』の場合、キャバレーを連想させる衣装と官能的な振付けが特徴だ。

 この他、『コッペリア』を4月27日~5月6日に、12月に『白鳥の湖』と『くるみ割り人形』を上演する。

 一方、韓国国立オペラ団の2010年は、モーツァルトの野心作『イドメネオ』で始まった。鄭明勲(チョン・ミョンフン)・芸術監督が指揮し、テノールのキム・ジェヒョン、ソプラノのイム・ソンヘらが出演した。

 同作品は、モーツァルトが25歳の時に作った代表作の一つ。トロイア戦争後のクレタ島を舞台に、息子のイダマンテ王子を海神に捧げなければならないイドメネオ王の苦悩を描く。 モーツァルト自ら「私の最高傑作」と語っているが、難しい舞台設備のため、公演機会の少ない作品だ。

 韓国国立オペラ団は今年、「多様な地域と時代の作品を網羅する」ことを目標にしており、3月にヴェルディの『マクベス』、4月ドニゼッティの『ランメルモールのルチア』などが予定されている。

 全国巡回公演も昨年7カ所だったのが、今年は10カ所に拡大する予定だ。子供のためのオペラ全国巡回公演も、ファンタジー的要素が多いワーグナーの作品を選んで、20地域で100回以上実施する予定だ。

 韓国国立バレエ団と韓国国立オペラ団は1962年に創設された韓国最高峰のバレエ、オペラ団である。2000年にどちらも財団法人となり、芸術の殿堂を中心に公演活動を行っている。日本公演の経験もある。