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2010/05/21

<韓国文化>過酷な戦争の現実を伝える

  • 過酷な戦争の現実を伝える①

    国連軍によるソウル奪回後、南方の避難先からソウルに戻るため漢江を渡り北岸に着いた避難民=1950年10月(ACME)

  • 過酷な戦争の現実を伝える②

    バンカーヒルで敵の攻撃を撃退した後、前線救護所で手当てを待つ韓国軍兵士=1952年11月(UP)

  • 過酷な戦争の現実を伝える③

    焼けて骨組みがあらわになった旧朝鮮総督府正面を横切り、前線に向う重装備の韓国軍兵士=1951年3月(ACME)

  • 過酷な戦争の現実を伝える④

    最近の休戦ライン(板門店)のようす。南北の兵士が対峙しているのがわかる

 「朝鮮戦争から60年 戦場の記憶―N・Y・デーリー・ニューズ写真コレクションより」が、横浜の日本新聞博物館で開かれている。外信が撮影した貴重な写真をはじめ、当時の新聞記事、関連資料なども展示され、戦争の全貌を知る貴重な展示会となっている。

 日本新聞博物館には、共同通信がデーリー・ニューズ社(ニューヨーク)から入手した約2万9000点にのぼる戦争報道写真のコレクションがある。

 同展では、このデーリー・ニューズ写真コレクションから、韓国戦争(朝鮮戦争)に関する写真約200点を展示し、戦争の勃発から、国連軍の仁川(インチョン)上陸、中国人民義勇軍の参戦など、休戦協定が結ばれる1953年までの約3年におよぶ戦争の歴史をたどっていく。

 1950年6月25日始まった韓国戦争は、多くの爪跡を残したまま、60年を迎えるいまも韓半島は北と南に分断され、休戦状態が続いている。

 戦場の兵士たち、同胞が敵と見方に分かれて向い合う戦場、破壊された町、戦禍を逃れる避難民、戦時下に生きる市民の姿をとらえたこれらの写真は、過酷な戦争の現実を伝えている。

 また休戦ラインに建てられた板門店(パンムンジョム)の現況を伝える写真も展示され、いまなお続く南北分断の悲劇が理解できる。

 また同展では、日本で発行された号外、新聞紙面や関連資料、当時の報道カメラマンが使ったカメラや服装、身分証なども展示され、当時の状況がよくわかる。

 6月12日午後1時30分からは座談会「朝鮮戦争従軍カメラマンに聞く」、19日午後1時からは韓国映画『ブラザーフッド』上映会+ミニトーク「朝鮮戦争と市民」が開かれる。


■朝鮮戦争から60年 戦場の記憶■
会期:開催中(6月27日まで)
会場:日本新聞博物館2階企画展示室(神奈川県横浜市中区日本大通11)
料金:一般・大学生500円ほか
電話:045・661・2040