在日と日本人の有志で運営する「時調の会」がこのほど、詩集「時調(三行詩)」第12集を出した。同詩集から数編を紹介する。
韓国の「時調」は、14世紀ごろの高麗時代末期に成立し、次の朝鮮朝時代に流行した「三章」構成の伝統定型詩である。
当初は両班と呼ばれる貴族たちによって、漢詩の余技として作られたという。主として儒教精神を歌ったものから始まり、次第に自然の美しさや人情の機微を歌った叙情的な詩になっていった。妓生たちも、よく時調を歌ったといわれている。
時調の会は99年3月1日にスタートした。時調の特徴である「三章」構成を「三行詩」に取り替えて、形式にとらわれず、自由な感情表現を行ってきた。
当初は在日2世を中心にした「在日の時調(三行詩)の会」として、在日文化の底上げと韓日交流を目的にしていたが、徐々に日本人メンバーが加わるようになり、また韓国からの寄稿者も増えたので、名前を「時調の会」と改め、今日に至っている。
同会では、在日の文化発信、韓日交流、韓日とアジアの文化の調和を目指して、毎年詩集を発表している。
創作は1行20字前後で3行を一首としている。表記方法は韓国語でも日本語でも、中国語や英語でもかまわない。毎月、発表会を行っている。第13集は2012年3月発行予定。
連絡先は〒210-0846川崎市川崎区小田1-13-4金方「時調の会」事務局。FAX044・355・6907。