「今年の作家23人の話1995―2010」展と「今日のフランス美術」展が、京畿道果川市の国立現代美術館で開催され、好評を博している。韓国とフランスの現代美術を比較鑑賞することができる貴重な展示だ。「今年の作家」展は10月30日まで、「今日のフランス美術」展は10月16日まで開かれる。
「今年の作家」展は、国立現代美術館によって1995年にスタートした。年齢やジャンルを問わず、毎年、韓国美術界で作家活動が一番目立った作家をキュレーターらの会議で選定し、翌年、その作家の個展を開催するもので、韓国現代美術の発展に大きな影響を与えてきた。
今回の展示は、これまで選定された作家23人の代表作150余点を紹介するものだ。会場の第3、第4展示室には全寿千氏の作品を筆頭に、黄インギ、権寧禹、金ホソク氏らの絵画、映像、彫刻が展示された。
また、農民の内面を写実主義技法で描いた李鐘九氏、表現主義的な歴史画で実存について追究した徐庸宣氏の絵画も見ることができる。
郭徳俊氏の映像作品「自画像78」には、在日韓国人としてのアイデンティティー意識が表現されている。初期の作家は伝統と現代の二分法を超えることに関心を注いだとするならば、後期は日常的な事柄、自身と関連する問題を追究する傾向にある。
「今年の作家」展は来年度から全面的に改編し、新たなスポンサーも加えて運営する予定だ。
一方、第1、第2展示室で開かれている「今日のフランス美術」展は、マルセル・デュシャン賞の受賞者と候補者の中から16人の作品100余点を公開している。
ポストモダニズム(近代主義の行き詰まりを打開しようとする動向。建築やデザインにおいては装飾の比重が高まる)の多元性、伝統とモダニズムに対する思惟、繊細な感性がうかがえる。
マルセル・デュシャン賞は、フランスの現代美術コレクター団体ADIAF(フランス現代美術国際化推進会)がパリの現代アート施設ポンピドゥーセンターの協力を得て2000年に創設。候補者は毎年4人に絞られ、受賞者はポンピドゥーセンターで個展を開催している。
ローラン・グラッソ氏の映像作品は、穏やかな海の風景、潜水艦及び古い大砲基地を絶妙に組み合わせた。破壊から新たな美学を表現したシプリアン・ガイヤール氏の作品も興味深い。マチュー・メルシエ氏はありふれた物を混ぜ合わせ、産業と芸術を繋げた。フィリップ・ラメット氏は重力を超えた写真を演出している。
菌や石鹸の泡など化学反応によって時間とともに変化する作品をリリースしたミシェル・ブラジー氏の作品には、哲学と面白味が共存する。