ここから本文です

2011/12/16

<韓国文化>「高円宮記念日韓交流基金」第三回顕彰式典・日韓の"絆"大切にする役割を

  • 「高円宮記念日韓交流基金」第三回顕彰式典・日韓の”絆”大切にする役割を①

                     高円宮妃殿下

  • 「高円宮記念日韓交流基金」第三回顕彰式典・日韓の”絆”大切にする役割を②

    日本一大楠どんと秋まつり実行委員会の田中氏、慶南青年カレッジ実行委員会の中野氏、熊本中央高等学校の工藤氏、養生義塾の嚴圭白氏、八幡獅子太鼓保存会の杉本氏(右から)

  • 「高円宮記念日韓交流基金」第三回顕彰式典・日韓の”絆”大切にする役割を③

            渡邉泰造・高円宮記念日韓交流基金理事長

  • 「高円宮記念日韓交流基金」第三回顕彰式典・日韓の”絆”大切にする役割を④

                   申 珏秀・駐日韓国大使

  • 「高円宮記念日韓交流基金」第三回顕彰式典・日韓の”絆”大切にする役割を⑤

                安藤裕康・国際交流基金理事長

 今回で第三回目となる「高円宮記念日韓交流基金」の顕彰式が行われ、日韓から高円宮賞4件と奨励賞1件の5件が顕彰された。

◆「継続が友情を育む」 高円宮妃殿下のおことば◆

 3月に東日本大震災が発生し、被災地では言葉に言い尽くせない苦難を味わった方々が多くおられます。いち早くご支援下さった韓国の方々には、心より感謝申し上げます。そういった絆をより強いものにしていく役割を大切にしていきたいと思います。

 日韓はそれぞれ固有の文化と歴史を持っています。お互いの立場を尊重し、相互に訪問して、直接人や生活に触れ合うことが大切であり、言葉や習慣の違いを超えてお互いを理解しようという気持ちがあれば、心は自然に通い合うと思います。今回受賞された事業は世代を超えて長く続けてこられたものです。継続が友情を育み、信頼が固い絆となって結ばれていくのを見るのは、何よりの喜びです。

 地道な草の根活動によって日本と韓国の方々の出会いが広がり、友好の輪が次第に大きくなっていくことを心より願って、私のお祝いの言葉とさせていただきます。


◆地道な日韓交流活動高く評価 高円宮賞4件、奨励賞1件◆

 高円宮賞の日本一大楠どんと秋まつり実行委員会「日本一大楠どんと秋まつり」は、地元のシンボルである日本一の大楠にちなんで開催される秋祭りに韓国の学生を招待して交流。田中久嗣・実行委員長は、「日韓交流の輪が広がるよう、末永く続けてまいりたいと思います」と述べた。

 慶南青年カレッジ実行委員会「日韓学生相互理解交流事業―アジア・カレッジ」は、山口県と韓国・慶尚南道の姉妹縁組を契機に、両地域の大学生が相互に訪問活動を行っている。中野智昭・実行委員長は、「日韓の学生が今後は会社や地域の中で頑張ってくれると信じています」と述べた。

 熊本中央高等学校「姉妹校ホームステイ団交換交流事業」は、熊本県と韓国の忠清南道の姉妹関係を背景に、熊本中央高等学校と論山女子商業高校とのホームステイを中心とした交流活動。工藤勇参・熊本中央高等学校校長は、「今まで2000人以上の生徒が韓国の論山女子商業高校を訪れています」と述べた。

 嚴圭白氏「日韓両国学校間相互交流事業」は、祖父が設立した学校法人・養生義塾を中心に、細田学園、天理高校、昴学園高校などと教育・文化・スポーツ全般に及ぶ交流を長期にわたって推進している。嚴圭白氏は、「受賞の喜びを養生高校との相互訪問に応じてくださった日本のすべての高校と共に分かち合いたいと思います」と述べた。

 奨励賞の八幡獅子太鼓保存会「日韓伝統文化交流事業」は、徳島県三好市の八幡獅子太鼓保存会と韓国慶尚南道の伝統民俗保存会との交流を山間部の限界集落で展開している。杉本孝司・八幡獅子太鼓保存会会長は、「わずか38世帯、85人の限界集落ではありますが、会員が一丸となって活性化に努めてまいりたいと思います」と述べた。

 選考委員からは次のようなコメントがあった。

 小田島雄志・東京大学名誉教授「10年、20年以上の草の根的な活動が広がっていると感じた。今回、奨励賞を増やしたが、もっと応援したい」

 川淵三郎・日本サッカー協会名誉会長「嚴さんは、30年以上の長期間にわたり日韓親善のため自然体で努力されてきた」

 陳昌鉉・バイオリン製作者「若者たちが大人になったとき、日韓の絆が強くなると感じた」

 張本勲・プロ野球解説者「この基金は、交流を応援する本当にいい制度なので賛同している」


◆地道な活動評価 渡邉泰造・高円宮記念日韓交流基金理事長◆

 高円宮記念日韓交流基金は、皇族として初めて韓国をご訪問され、その後、病に倒れられるまで一貫して日本と韓国の友好にご尽力された高円宮殿下を記念し、高円宮妃殿下を中心に結成されました。

 公正な選考の結果、今年は4件の高円宮賞の授賞が決定し、また、特別に1件の奨励賞を授与することになりました。いずれも人知れず、地道に活動を進めてきた立派な交流事業です。受賞された交流事業に携わってこられた方々に心よりお祝い申し上げます。

◆未来への指針を 申 珏秀・駐日韓国大使◆

 韓国と日本は隣国同士なので、様々な問題が起こりがちです。しかし、そのようなことを克服して韓国と日本の発展がここまで築き上げてこられたのも、やはり韓国と日本におけます人的交流、そして文化的交流を着実に行ってきた成果ではないでしょうか。

 第3回目を迎えた今年は、5組の方々が受賞されますが、両国の関係に大きな力を注いできました。今後、そういった方々を中心に新しい未来に向けた新たな大きな指針が示されることを期待します。

◆人と人の交流から 安藤裕康・国際交流基金理事長◆

 高円宮殿下は1981年から2002年まで、20年以上にわたり国際交流基金の職員として勤務をされ、国際交流に大変な尽力をされました。その並々ならぬ情熱は、今も語り継がれています。

 当時、国際交流基金の職員全員から愛されていたと伺っております。今回顕彰するような地道な交流が、両国の絆をじわじわと強化していくのではと感じます。同じ国際交流に携わるものとして大変勇気づけられます。