韓国人留学生による現代アート展「チャレンジ・アート・イン・ジャパン2012」が、東京・四谷の韓国文化院で開催中だ(17日まで)。日本で展示会を開く機会の少ない韓国人留学生に、展示のチャンスを与え、才能豊かな新人作家を発掘することを目的に開かれている。
同展には、多摩美術大学、武蔵野美術大学、東京芸術大学、女子美術大学、東京工芸大学に在籍する現役の韓国人留学生13人が出品。李元淑さんは昨年日本版画協会賞を受賞するなど、将来を嘱望されている留学生たちだ。
6日の開会式で沈東燮・韓国文化院長は、「韓国留学生の力になりたいと企画し、65人の応募者から13人を選んだ。将来は韓日で活躍してほしい」とあいさつした。
同展のキュレーターを務めたギャラリーQの上田雄三さんは、「韓国の美術界と長年交流してきたが、このような企画が実現した意義は大きい。日韓美術交流がさらに深まることを期待したい」と述べた。
留学生を代表して李元淑さんは、「今回の展示会を励みに一層努力したい」と話した。
韓日両国はこれまで、芸術・文化の交流を通じて育み、互いの文化に触れ合うことで多くの知識や英知を学んできた。
韓国最初の西洋画家、高羲東(1886~1965)は東京美術学校(現東京芸術大学)に1910年留学。同校は日本語のわからない高羲東のため、西洋画科予備科を作って受け入れた。高羲東は解放後、韓国美術界の発展に尽くした。世界的ビデオアーティスト白南準(1932~2006)も日本留学の経験を持つ。
韓国文化院では今後毎年、韓国人留学生の作品展を開催し、支援していく計画だ。
11日午後3時から文化院3階でシンポジウムが開催される。参加パネリストは、李美那(神奈川県立近代美術館主任学芸員)、古川美佳(韓国美術・文化研究)ら。
■韓国人留学生による現代アート展■
日程:開催中(17日まで)
場所:韓国文化院ギャラリー
主催:韓国文化院
料金:無料
電話:03・3357・5970