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2013/09/13

<韓国文化>京都文化の原点は渡来文化

  • 京都文化の原点は渡来文化①

         薄緑地玉取獅子図毛綴(19世紀、吉田孝次郎氏蔵)

  • 京都文化の原点は渡来文化②

                刺繍双鶴文胸背(18世紀後半)

 企画展「高麗美術館コレクションに見る『韓流』の歴史―朝鮮文化と京都」が、京都市北区の高麗美術館で開催中だ。同美術館研究所の李須恵・研究員に、同展について文章を寄せてもらった。

◆古代国際交流の変遷たどる 李 須恵(高麗美術館研究所研究員)◆

 山城国、大和国、摂津国、河内国、和泉国の五つの畿内に住んだ有力氏族の祖先伝承を集約した『新撰姓氏録』(弘仁6年、815年)には、「諸蕃」、つまり渡来系氏族が記載されている。朝鮮半島東南部の新羅から渡ってきた「太秦公宿種」や百済・加耶系の「吉水連」、「坂上大宿種」など、収録された氏族のおよそ三分の一が渡来系であることが示される。

 新羅系の秦氏、百済・加耶系の漢氏、高句麗系の高麗氏などに代表される有力氏族が活躍した当時は、東アジア全体が活気あふれ、国際的成長の著しい時代であった。

 平安京遷都が行われたのは延暦13年(794年)。古くから日本の歴史と文化を継承してきた京都の地には、東アジアの国際的環境が深く関与し、渡来人とその文化が原点にあるといっても過言ではない。


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