ユネスコの世界遺産(文化遺産)暫定リストに登録された「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」(長崎・五島列島)に近年、韓国からの巡礼者が増え、韓日交流の礎が築かれている。長崎県新上五島町で嘱託職員として韓国の巡礼者を案内する林根昊さんに文章を寄せてもらった。
◆韓日青年交流で人材育成を 林 根昊(長崎県新上五島町町役場嘱託職員)◆
長崎におけるキリスト教の伝来と繁栄、激しい弾圧と250年もの潜伏、そして奇跡の復活という世界に類を見ない布教の歴史を物語る資産として2007年1月、ユネスコの世界遺産(文化遺産)暫定リストに登録された「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」。
日本におけるキリスト教の伝播と浸透のプロセスを示す歴史的遺産として、2016年のユネスコ世界文化遺産登録を目指している。「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の構成資産である「頭ヶ島天主堂」を擁する新上五島町は、長い弾圧の歴史的背景とともに農漁業集落と一体になった文化的景観を形成し、保存されている。
全国の約15%のキリスト教信徒が在住する長崎県。さらに、日本の西端に位置し、29もの教会群が点在する新上五島町。韓国からも程近く、人口の約4分の1がカトリック信者であるという、キリスト教文化が連綿と継承されている「祈りの島」へ、韓国から足を運ぶ巡礼者も多い。
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