朝鮮王朝との交流の先頭に立った対馬藩の、12万点に及ぶ宗家文書が重要文化財に指定されたことを記念し、特別展「対馬藩と朝鮮通信使」が、長崎歴史文化博物館で開催中だ。同館研究員の岡本健一郎さんに文章を寄せてもらった。
◆朝鮮王朝との関係改善に尽力 岡本 健一郎(長崎歴史文化博物館研究員)◆
10万石格の大名として江戸時代を生き抜いた対馬藩宗家。対馬・長崎・江戸・朝鮮釜山を股にかけ、国際交流をリードしていました。
江戸時代の日朝外交は、12回の朝鮮通信使が来日し、華やかな行列と共に文化交流も深まりました。その裏で、対馬藩宗家は外交の実務を担い、両国の関係維持に尽力していたのです。
また、東アジア世界への窓口であった長崎と対馬藩は深い関係があり、海を通して長崎・対馬・釜山は強くつながっていたといえます。
つづきは本紙へ