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2014/01/17

<韓国文化>女性たちの手仕事の美

  • 女性たちの手仕事の美①

    亢羅(ハンナ)チョガッポ 112×112㌢ 韓国刺繍博物館蔵
    同館の代表的な絹のチョガッポ。色彩と構成がリズミカルで、華麗かつ優美だ

  • 女性たちの手仕事の美②

    宮中+長生チュモニ 10×13㌢ 韓国刺繍博物館蔵
    蓮池に憩う鴨と、長寿を願う「寿」字が中央に配されている。刺繍と組みひもで美しく飾られ、生命感に溢れている

 韓国刺繍博物館所蔵のポジャギ(風呂敷)40点とチュモニ(袋物)25点、そして高麗美術館のポジャギ20点で展示構成された「ポジャギとチュモニ展―女性たちの糸と針の造形」が、京都市北区の高麗美術館で開催中。女性たちの手仕事による糸と針の造形には、韓国の粋が溢れ、人々を魅了してやまない。山本俊介・同館研究員に文章を寄せてもらった。

◆「福」を願う真心の一つの表現 山本 俊介(高麗美術館研究員)◆

 高麗美術館では、これまで韓国刺繍博物館との提携により2008年に「ポジャギとチョガッポ展」、2011年に「刺繍ポジャギとチョガッポ展」を開催しており、ほぼ3年ごとに「ポジャギ展」を実施、今回が3回目となる。両館ともに「小さいながらキラリと光る美術館」としての存在意義を強めており、日本と韓国の文化交流の一翼を担っている。

 本展では、ポジャギの中でも、端切れを縫いつなぎ1枚の四角い布に仕上げるパッチワークのポジャギである「チョガッポ」に焦点を当てるとともに、伝統の刺繍や組紐で装飾された袋物の「チュモニ」が華を添え、見所となっている。

 女性たちが連綿と作り続けた伝統のポジャギ。それは、ものを包んだり、覆ったりする四角い布で、朝鮮時代(1392~1910年)の後期、特に18世紀頃に盛んになった。


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