韓中合作映画『最後の晩餐』(オ・ギファン監督)が公開中だ。上海と北京を舞台に陶芸家を目指す女性と3つ星シェフを目指す男性の物語で、スープが映画の重要な鍵である。料理研究家の高根恵子さんに、「思い出のスープ」について文章を寄せてもらった。
◆韓国と中国、医食同源の世界 高根 恵子(料理研究家)◆
「トマトとじゃがいもと干し筍のスープ」は映画『最後の晩餐』に何度となく登場する。このスープは主人公二人の思い出の味だ。
長い歴史を持つ中国料理だから知らないメニューがあっても当然だし、映画のためのオリジナル料理なのかもしれない。しかし味は知らなくともこのスープによって表された、相手を思って心を込めて作られた料理が持つチカラのようなものと、一緒に笑い合って食べる時間がとても幸せなのだということは分かった。
韓国料理にもそれこそ数えきれないほどの種類のスープがある。
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