高麗美術館・春の企画展「高麗の青磁 朝鮮の白磁」が、京都市の高麗美術館で開かれている。高麗青磁・朝鮮白磁約80点を厳選した展示会だ。李須恵・高麗美術館研究員に文章を寄せてもらった。
◆白磁に反映される朝鮮王朝史 李 須恵(高麗美術館研究所研究員)◆
高麗美術館が所蔵する約1700点の朝鮮・韓国文化財は、すべて日本国内で集められた。創設者・鄭詔文(1918~1989)は、数あるコレクションの中でも特に陶磁器が好きだった。
高麗青磁、粉青沙器、そして白磁。世界に名だたる東洋陶磁、特に中国や日本の色彩豊かな陶磁器に並び、ひときわ異彩を放つ朝鮮陶磁は、彼の心を掴んで離さなかった。そこには朝鮮民族の歩んだ歴史があり、美に対する意識が凝縮されている。まさに朝鮮陶磁こそ、世界の誰もが認める我が民族の誇りであると、鄭は思ったに違いない。
朝鮮陶磁が持つ美とは何であろうか。その個性はどのように表現されてきたのか。
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