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2014/05/02

<韓国文化>韓流シネマの散歩道 第2回 冬ソナとヒッチコック                                         二松学舎大学 田村 紀之 客員教授

  • 韓流シネマの散歩道 第2回①
  • 韓流シネマの散歩道 第2回②

    たむら・としゆき 1941年京都生まれ。一橋大学卒。東京都立大学経済学部教授、二松学舎大学教授などを経て現在は二松学舎大学客員教授。

◆映画『鳥』の”韓国少年”とは◆

 いかにも唐突で恐縮だが、冬ソナの話になると、どうしてもA・ヒッチコックの『鳥』(1963)を想い出してしまう。その理由は、あとで説明する。

 『鳥』の評判は、ヒッチコック作品のなかではあまり芳しくない。興業的には成功したものの、なぜ鳥が人間を襲うようになったのか、その理由がわからないとか、主人公たちが町を逃げ出したあとの結論が不明だとか、辛口の批評がたえなかった。

 もっとも、デュ・モーリアの原作(創元社文庫)では、北極における気候異変が原因らしいと示唆されている。


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