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2014/06/13

<韓国文化>在日の生き様を伝える

  • 在日の生き様を伝える①

    金 登美作 「シクラメンの詩」

  • 在日の生き様を伝える②

    金登美氏㊧と河正雄氏(92年)

 在日2世の河正雄・光州市立美術館名誉館長が韓国に寄贈した「河正雄コレクション」から、在日作家を紹介する2つの展示会が、韓国で開かれ、好評を博している。

◆金登美(キム・ドゥンミ)「花ひとすじに」展 河 正雄(光州市立美術館名誉館長)◆

 金登美さんは30歳の頃に若き御主人、沈晩燮氏(後に中京大学経済学部部長)の帰宅がいつも遅い事から、好きだった絵を描き始めた。

 2000年第3回光州ビエンナーレ開催にあたり、私は「在日の人権展」を企画した。その時、私のコレクションである金登美さんの作品2点を展示し、ご夫妻を光州に招待した。結婚以来、夫婦一緒に旅行するのは初めてであると仰られ、私は信じられない事と驚いたものだ。

 光州訪問で沈晩燮氏は初めて画家・金登美さんを認知し、理解されたという。間もなく沈晩燮氏は体調を崩され、亡くなられた。晩年、人間が優しく、丸くなったのだと金登美さんは喜ばれ涙された。流した涙は沢山あったろうに「一生の内に二度、涙を流せた事の幸せを忘れる事が出来ません」と述懐された。


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