20世紀前半の東アジアの近代美術を「官展」という切り口で考える「東京 ソウル 台北 長春 官展にみる近代美術」の巡回展が、兵庫県立美術館で7月21日まで、朝鮮陶磁の美に強い関心を示した陶芸家で日本民藝館2代目館長の足跡を振り返る「生誕120年記念 濱田庄司展」が東京の日本民藝館で8月31日まで開催され、好評を博している。
福岡アジア美術館、府中市美術館で開催され、好評を博した「東京・ソウル・台北・長春 官展にみる近代美術」巡回展が、兵庫県立美術館で開催中だ。
同展は、20世紀前半の東アジアの近代美術を、官設の公募美術展(官展)という切り口から考える初めての展覧会。韓国や台湾の研究者・学芸員との共同企画であり、各地の所蔵者の理解と協力により実現した。東京、および日本の統治下・影響下にあったソウル、台北、長春で開かれた官展の出品作や、審査員をつとめた作家の作品を中心に、各国・地域の近代美術の諸相を約130点の作品で紹介する。韓国、日本、台湾、中国東北部(旧満洲)という4地域をカバーし、今回ほど多くの作品が集まる機会はこれまでなかった。4つのコーナーに並ぶ絵画、書、彫刻、工芸から、共通する部分とオリジナリティー、それぞれの「近代」が浮かび上がる。
官展とは、官設の公募美術展のこと。20世紀前半、東アジア各地で、政府主導のもと開かれた。
つづきは本紙へ