夏の企画展「華角と木工―牛の角に秘められた多彩な世界―」が、京都市の高麗美術館で開かれている。朝鮮独自の「華角」技法で装飾された調度品などを展示し、「華角」工芸の魅力に迫る。
同展では、朝鮮時代(1392~1910)の男女それぞれの室内空間の特徴を表す家具類を中心に、特に女性の室内を鮮やかに彩った「華角」と呼ばれる朝鮮独自の技法による貴重な作品に焦点を当てて、朝鮮の木工品の魅力を紹介している。
儒教精神に基づく質朴・簡素を旨とした男性の空間には文人趣味の家具調度が配され、一方、特に富裕層の女性の室内は、「華角」技法で装飾された調度品などで華やかに演出された。
「華角」は、仔牛の角を透き通るまでに薄く削り、ガラス絵のように裏向きに岩絵具で図柄を描き、描画面を木面に貼り付ける。透明な表面、また描画面が擦れることなく、色褪せも少ない、類い稀な朝鮮独自の華麗な装飾技法である。
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