在日の歴史家・韓永大さんが、古代新羅と西方文化との関連についてまとめた「古代韓国のギリシャ渦文と月支国 文化で結ばれた中央アジアと新羅」を出版することになった。韓さんに研究成果について文章を寄せてもらった。
◆「古代韓国のギリシャ渦文と月支国」発刊に寄せて 韓 永大(歴史家)◆
自著「古代韓国のギリシャ渦文と月支国 文化で結ばれた中央アジアと新羅」が、明石書店(東京都千代田区)より9月末に発刊されることとなった。本書は古代新羅文化のもつ西方的性格について、具体的遺物を通して考察しようとしたものである。
1921年の慶州・金冠塚初め、新羅古墳(5~6世紀)からは金文化がとりわけ注目されている。その金製品は金製の冠、首飾り、銙帯・腰佩、腕輪、耳飾り、指輪など多種多様である。また、馬具や武器類も種類が豊富でかつ、一つ一つの完成度が抜群である。その他、美しいガラス容器が多数(19点)伝えられているものも新羅文化の特質である。
これまで古代新羅と西方文化との関係は、必ずしも十分解明されていない実情に鑑み、筆者はなるべく、具体的考古遺品に立脚してその西方との関係を追求しようとした。
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