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2015/04/17

<韓国文化>韓流シネマの散歩道 第12回 タブーに挑戦する韓国映画                                     二松学舎大学 田村 紀之 客員教授

  • 韓流シネマの散歩道 第12回 タブーに挑戦する韓国映画

    年齢差を越えた愛を描く『ウンギョ 青い蜜』

  • 二松学舎大学 田村 紀之 客員教授

    たむら・としゆき 1941年京都生まれ。一橋大学卒。東京都立大学経済学部教授、二松学舎大学教授などを経て現在は二松学舎大学客員教授。

◆物足りない「偏見の打破」◆

 繰り返しになるが、「タブーへの挑戦」という話題を、さらに掘り下げてみよう。いうまでもなく、タブーという概念自体が、国により時代によりさまざまな内容をもつ。したがってタブーとそれへの挑戦の内実も、きわめて相対的なものであることを断っておきたい。

 最近の韓国映画のなかには、ひと昔まえには想像もできなかった題材を大胆にとりあげ、しかも相当にどぎつく描写したものが少なくない。時代が変わったという印象を強くする昨今である。

 以下、思いつくままに目ぼしい作品を列挙するとともに、私なりのコメントを付してゆきたい。

 まず、『秘蜜』(04年、原題は「緑の椅子」)は、19歳の少年と離婚経験をもつ39歳の女との性交渉を扱う。

 逮捕された女は奉仕活動に従事するが、女の友人宅でふたりは再会。女のもとの夫や少年の両親らをも呼んでのパーティーで、自分たちの年齢を超えた恋の正当性を主張する。いまではそれほど珍しくもないテーマだが、演説調のセリフを長々と続けるのはいささか興ざめ。

 つぎに、『ウンギョ 青い蜜』(12年)は、老詩人とその愛弟子の作家、そしてアルバイトにきた女子高校生ウンギョとの、これまた年齢差を超えた愛憎関係が主題である。


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