アジアの美術を紹介してきた福岡アジア美術館で、韓日国交正常化50周年を記念して、韓国と関連した3つの美術展が相次いで開かれる。「日韓近代美術家のまなざし─『朝鮮』で描く」は、両国の近代美術の秀作約200点を一堂に紹介する初の試み。「韓国アート1965―2015」は、この50年間の韓国現代アートを紹介。「第14回アーティスト・イン・レジデンスの成果展パート2」では、若手女性アーティスト、ジュジュ・ユの作品を展示する。
「日韓近代美術家のまなざし『朝鮮』で描く」展は、20世紀前半の韓国と日本の美術、そして美術家どうしの交流に焦点をあてた展覧会だ。
日本による朝鮮半島の統治という社会的矛盾に満ちた「近代」において、韓日国の美術家たちは、自らをとりまく世界の限界や苦難、葛藤を抱えながらも、それを超えようとするまなざしをもち、豊かな表現活動を行った。
高羲東や李仁星、李仲燮、金煥基、李快大など、日本との交流をもつ韓国近代美術の巨匠たち。藤島武二や山田新一、荒井龍男、山口長男、浅川伯教・巧など、韓国にゆかりの深い日本近代美術を代表する作家たち。彼らの代表的な作品に加えて、これまでほとんど注目されてこなかった戦前の在「朝鮮」日本人作家の作品なども、最新の研究成果をふまえて紹介する。
日本から朝鮮半島を訪れた日本人美術家らは、「京城」の王宮建築や城門などの名所旧跡に注目した。朝鮮半島に「移住」した日本人美術家は、何気ない庶民の家屋に造形的な関心を寄せたりした。一方で韓国の美術家らは、日本植民地下、急速に近代化していく街並みや人物などを描いた。
「韓国アート1965―2015」は、国交正常化が行われた1965年から現在までの韓国アートを、同館所蔵品により展示する試みだ。
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