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2016/04/08

<韓国文化>民族固有の造形美を知る

  • 民族固有の造形美を知る

       染付鉄砂窓絵花鳥文壺 朝鮮時代 18世紀前半 高40.3㌢

 日本民藝館の創設80周年を記念する特別展として、同館所蔵の朝鮮時代の諸工芸品の中から優品約400点を選んで紹介する「創設80周年特別展 日本民藝館所蔵 朝鮮工芸の美」(日本民藝館主催、韓国文化院・韓国国外所在文化財財団・韓国国際交流財団東京事務所後援)が、東京・駒場の日本民藝館で始まった。

 1日に行われた開会式で深澤直人・日本民藝館館長は、「韓国国外所在文化財財団の調査結果を反映して、約400点を一堂に展示する。これだけの朝鮮工芸の展示は過去に例がないと思う。今年は当館創設者の柳宗悦が初めて韓国を訪れてから100年目という節目の年になる。これを契機に日韓関係がより深まってほしい」と述べた。

 金現煥・韓国文化院長は「日本民藝館は、国境を越えて芸術の感動を伝える役割を果たしてきた」とあいさつ。呉洙東・韓国国外所在文化財財団事務総長は「両国の関係改善を望む人たちの尽力で、今回の展覧会が実現した」と話した。その後の内覧会では、参加者から「これまで見たことのない貴重な作品が多い」「花鳥画の美しさに感動した」「螺鈿細工は本当に見事」などの声が聞かれた。

 日本民藝館創設者の柳宗悦 (1889~1961)は、早くから朝鮮時代(1392~1910)の器物に造られた朝鮮工芸品の美に注目し、日常の器物の中にこそ、もっとも豊かな民族性と自由で無垢な造形感覚を称賛し、それを生み育ててきた人々に深い敬愛の情を寄せてきた。

 そして朝鮮工芸について数々の論考を発表するとともに、その透徹した審美眼で朝鮮の人々の暮らしを彩った陶磁器、木工品、石工品、金工品、そして絵画などを収集した。現在、日本民藝館には約1600点の所蔵品がある。

 同展の開催に先立って14年12月から、韓国国外所在文化財財団による同コレクションの調査が実施された。

 韓国国外所在文化財財団は、海外に所在する韓国文化財を総合的に調査・研究し、韓国文化財の価値を国内外に知らせるための専門機関として12年7月に韓国文化財庁傘下の特殊法人として設立された。


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