「朝鮮通信使」とは1607年~1811年に12回、朝鮮王朝から徳川幕府に送られた外交使節で、両国の友好を確認する国書交換など外交面だけでなく、日本各地で学問や文化の交流を繰り広げ、両国の相互理解に大きな役割を果たした。この「朝鮮通信使」の関連資料を、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界記憶遺産に昨年3月30日、韓日の民間団体が申請した。申請したのは韓国側が「釜山文化財団」、日本側が朝鮮通信使に縁がある自治体や団体でつくる「朝鮮通信使縁地連絡協議会」である。
申請資料は、韓国側が朝鮮王朝が記録した関連文書「通信使謄録」や通信使の日記など63件124点。日本側が「朝鮮国信使絵巻」(長崎県立対馬歴史民俗資料館所蔵)や朝鮮外交を担当した儒学者・雨森芳洲の著書など48件209点で、韓日合わせ111件333点になる。韓日の団体が世界記憶遺産登録を共同申請するのは初めてで、両団体は「朝鮮通信使は両国の平和的な関係を構築し、維持させることに大きく貢献した」として、「朝鮮通信使の遺産は韓日間において共通の歴史認識を醸成し、両国国民の相互理解を深める糸口になる」と申請の意義を説明している。
一方、韓日各地で朝鮮通信使関連の行事が行われ、登録を後押ししたいとしている。世界記憶遺産登録の可否は今秋決まる予定だ。
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