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2018/02/23

<韓国文化>『誤発弾』など4作品上映

  • 『誤発弾』など4作品上映

    韓国映画を代表する名作『誤発弾』

 「1950~60年代に製作された名作韓国映画特集」が4~5月、東京・四谷の韓国文化院で開催される。同特集では、同年代に製作された韓国映画界を代表する兪賢穆 (ユ・ヒョンモク)監督、金基悳(キム・ギドク)監督、申相玉(シン・サンオク)監督、権寧純(クォン・ヨンスン)監督による名作韓国映画4作品を上映する。

 韓国映画は1960年代中頃からルネサンス期を迎えたが、その流れにつながる中興期ともいえる1950~60年代には大衆的、かつ開放的な作風による多彩なジャンルの韓国映画が数多く製作され、韓国映画界が活気を取り戻し始めた時期だ。

 『誤発弾』(1961年、4月10日上映)は、戦後の韓国社会の不条理な現実に対する批判的な視点により描かれた兪賢穆監督作品。

 公認会計士のチョルホは、精神を病んだ母、妊娠した栄養失調の妻、トラブルばかり起こす弟、米兵相手に売春する妹、失業する退役軍人の弟ヨンホ、学業を放棄して新聞売りをする末弟のミンホなど、家族を支えなければならないという重荷を背負いながら生活をする。そんな中、弟のヨンホが銀行強盗を犯し…。

 『5人の海兵隊員』(1961年、4月24日上映)は、韓国戦争の特殊作戦に志願する5人の海兵隊員の戦場での人間愛あふれる姿と戦争の悲劇を描いた金基悳監督のデビュー作品。

 オ・ドクス少尉は、父のオ・ソクマン中佐が大隊長をする部隊に小隊長として赴任する。父は息子を歓迎するが、オ少尉は幼い時から、いつも兄ばかりを可愛がる父に対する恨みと寂しさが胸の中に深く残っている。一方、個性の強い海兵隊員たちは、オ少尉を中心に戦友愛を深めていくが、ある日、見習海兵として小隊員たちに可愛がられていたハ・ヨンギュ海兵が偵察中に死亡する事件が発生する…。

 『地獄花』(1958年、5月18日上映)は、韓国戦争後の社会を描き、時代の風潮、男女や家族の関係などを新しい倫理観から描写した申相玉監督作品。

 兄のヨンシクは、米軍物資の窃盗団を率いるリーダーになっていた。兄を探しにソウルに出てきた弟のトンシクは母親が待つ故郷へ戻ろうとヨンシクに言うが、ヨンシクはもっと大きなことをして、ソニャと結婚するつもりだと言う。ある日、ソニャはヨンシクの一団が物品を盗んだ日、弟のトンシクを誘惑して密会を楽しむ。ヨンシクは予定通り米軍の輸送列車を襲うために発ち、ソニャはトンシクと逃げるためにヨンシクの犯行を憲兵隊に通報する…。


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