CPサッカー(脳性まひ7人制サッカー)の韓日交流事業がこのほど日本で行われ、両国チームと関係者が交流を深めた。上野密・一般社団法人全国肢体不自由児者父母の会連合会常務理事・事務局長に、同交流について文章を寄せてもらった。
◆日韓障害者「草の根交流」促進を
上野 密さん(一般社団法人全国肢体不自由児者父母の会連合会常務理事・事務局長)◆
東京2020パラリンピック競技大会は、8月25日から9月6日の13日間の日程で、22の競技が行われる。
みなさんはCPサッカーという競技をご存じであろうか?
CPサッカーとは「脳性まひ7人制サッカー」の通称の事であり、比較的軽度の脳性まひ選手がプレーできるように考案された7人制サッカーで、立った状態で行う脳性まひ者スポーツの中では唯一の団体競技でもある。1978年ドイツにて設立、国際的には「Football 7-a-Side」と呼ばれ、パラリンピックや欧州選手権、コパアメリカ、アジア大会などの大陸大会、世界選手権も行われている。
パラリンピックでは1984年より正式種目となったが、残念ながら2020年東京パラリンピックでは競技種目から外れてしまった事もあり、2024年パラリンピック種目に復帰できるよう各国で活動をしている。
ロンドン大会、リオ大会では正式種目であったCPサッカーが実施競技から外されてしまった背景には、日本ではなかなか一般市民へのパラリンピック競技種目の周知、普及ともに低い現状にあることが指摘されている。
また、競技の周知や普及のための取り組みが必須となるものの、競技人口が少ない背景の一つには肢体不自由児者の社会参加という部分の課題や、関係者、関係団体の負担が大きい事や支援者が少ない事も挙げられている。
こうした背景の中、一般社団法人全国肢体不自由児者父母の会連合会(以下:全肢連)と社団法人韓国脳性麻痺福祉会(以下:福祉会)との間において、2017年12月15~18日の日程で『日韓CPサッカー交流事業2017』が行われた。
全肢連と福祉会は1982年12月に民間の障害者団体組織として先駆けとなる「姉妹血縁」を締結し、単なる両国民間福祉団体の提携にとどまらず、国際障害者年の結実の一つとして高く評価される出来事だった。
それから36年、両会は日韓両国の障害者福祉の発展に尽力し、相互理解を深め、両国の障害者交流の架け橋を担い、様々な国際親善を推進してきている。
現在日本ではCPサッカーやブラインドサッカーなど多種多様な障害者サッカー競技団体があるが、2014年5月に(公財)日本サッカー協会が「JFAグラスルーツ宣言」を発表し、「サッカーをもっとみんなのもとへ」のスローガンのもと、年齢、性別、障がい、人種などに関わりなく、誰もが、いつでも、どこでも、身近でサッカーにアクセスできる環境の整備に取り組むことを明言した。
そして2016年4月、7つの主な障害者サッカーの競技団体の統括組織として(一社)日本障がい者サッカー連盟が創設された。
一方、福祉会でもCPサッカーやボッチャの推進に注力しており、
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