日本が韓半島を植民地支配した時代を背景にした韓日合作『カルメギ』と『満州戦線』が、今月末から相次ぎ上演される。両国の歴史を知ることで、相互理解と友好を深める企画だ。
韓国の成耆雄(ソン・ギウン)主宰の劇団「第12言語演劇スタジオ」と日本の多田淳之介主宰の「東京デスロック」による合作劇『カルメギ』は、アントン・チェーホフ作『かもめ』を、1930年代の日本植民地時代に翻案した作品で、両国の俳優が共演する。
ある韓半島の田舎町、芸術を志す韓国人青年の元に母が連れてきたのは日本からの芸術家。青年が恋焦がれる女性が彼と共に日本へ発ち、やがて残された人々を戦争の影が包む 。
13年に韓国で初演され、韓国最高峰の第50回東亜演劇賞で作品賞、演出賞、視聴覚デザイン賞の3賞を受賞。特に多田さんは初の外国人演出家による演出賞受賞。14年に日本公演が行われ、今回は4年ぶりの再演。
多田さんは、「例えば韓国のドラマや映画・演劇で、当時の日本人と言えば、朝鮮人をいじめて『バカヤロー!』と叫んで去って行く、という定番のキャラクターがある。朝鮮人を支配する日本人を小さい頃から見慣れている彼らと、そんな日本人を生まれて初めて見る日本の観客では反応が180度違う」とし、「この作品では紋切り型の日本人キャラクターは出てこないので、韓国の観客はひどい日本人が出てこないと思うし、日本の観客は、日本人はなんてひどいことをしたんだろうと思う。両国それぞれに(相手は)何を思うのだろう、そういう想像を巡らせてもらえたら嬉しい」と話す。
東アジアが大きく変動するいま、再演する意義については「特に日本人は、
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