国楽に人生をかけた韓国伝統音楽家の金福実さんは9月に発表会「韓国 パンソリの風」を、金大伊さんは10月に「韓国伝統芸能 歌・舞・楽 国楽 風が吹く」を上演する。
国楽ひとすじの人生を歩み、日本で国楽を指導して30年が過ぎた。来月、パンソリの演奏会を都内で開催する。
金福実さんはソウル生まれ。幼い時から韓国伝統芸能を学び、人間文化財23号の姜貞烈先生に伽倻琴散調・伽倻琴併唱を師事した。99年に韓国全州第25回大私習大会入賞、2001年には南原春香祭国楽大会伽倻琴併唱部門最優秀賞を受賞。
来日したのは80年代半ば、国楽を在日社会と日本社会に広めたいと、都内に金福実国楽研究所・韓国パンソリ保存研究会関東支部を開いた。
また日本の小学校で演奏会を数多く行い、韓日文化交流にも貢献してきた。在日高齢者を慰問する公演も数多く行っている。韓国文化院で伝統芸能講座の講師も務める。伽倻琴散調(申寛流)7曲とパンソリ4曲の入ったCD「金福実伽倻琴世界」も出し、伝統芸能の普及に役立ててきた。
「日本に来て孤独を感じることもあったが、韓国の伝統文化である国楽を、少しでも多くの人に広めたい一心で歩んできた。今度の公演では伽倻琴散調『フィモリ』、パンソリ『沈清歌』より『野辺送り』から『バンア打令(臼つき歌)』の場面まで披露する。パンソリの魅力を知ってほしい」
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