◆秋夕の食卓を飾る串焼き料理◆

　韓国で旧正月（ソルラル）と並び伝統行事である秋夕（チュソク、今年は24日）。

　毎年秋夕とその前後一日ずつの三日間が祝日となり、都会に暮らす人はそれぞれ故郷に帰って各家庭で茶礼(チャレ)を行う。祭祀(チェサ)＝故人の亡くなった日に行われる法事とほとんど変わらないが、茶礼は年の節目や秋夕時期の収穫の喜びを祖先、親族一堂に会して祝うもの。

　近年は帰省ラッシュを避けて故郷の両親世代が上京したり、時期をずらして休暇を取る場合も。また伝統行事を若い世代に伝えていくということで街中いたるところに垂れ幕やポスターがあったり、博物館や駅前などでは民族衣装(韓服)着用体験イベントや伝統的な遊びや踊りを体験できるイベントなどもこの時期多く開催される。

　秋夕当日に備えて約一カ月ほど前からの週末はそれぞれが故郷のお墓の掃除＝伐草に行ったりしておかねばならない。また日本のお中元のように日頃お世話になっている人や親しい知人など贈り物（ソンムル）をする風習があるのでデパートや小売店、コンビニなどでも毎日食べるような食品や日用消耗品などの詰め合わせが特別コーナーで並ぶのも秋夕シーズンらしい光景。購入したものを華やかなデザインの紙袋や風呂敷包みで下げて歩く姿を街中で見かけることも多く、秋夕当日だけではない賑やかさと慌ただしさが街に訪れる。近年はファストフード店やファストファッション店、コスメショップも秋夕セールと称して特別メニューやセット販売などがよく見られる。

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