今回のインチョン(仁川)再訪で最も印象的だったのは松島地区の発展ぶりだった。8年前に訪れたときは十数棟の高層マンションが完成していたもののほとんどが空き家で一部の識者から不良債権化を懸念する声も出ていた。それが現在完売されているだけでなく、新たに十数棟のオフィスビルや高層マンションが建設され、ほぼ埋まっている。低層階に小売店舗を備えたマンションも多く、かつて閑散としていた道路は頻繁に車が行き交っている。しかも現在、数棟のオフィスビルや高層マンションが建設中である。完全に発展への軌道を歩み始めたといえる。
韓国政府や仁川広域市の施策が功を奏しているのである。効果的だったのは2009年に完成したインチョン大橋である。インチョン空港と松島を結ぶ全長21・38㌔、片側3車線の海上橋であり、インチョン中心街から空港に行く場合もこの橋を通るようになった。8年前、私たちの車以外に走っている車はなかったのに、今回は夕方だったせいか渋滞に巻き込まれたほどである。
大橋建設後まもなく、韓国政府は松島を経済自由区域に指定、外国企業の誘致を推進した。多くの知識集約企業が進出してきたという。この影響でシェラトングランド仁川ホテル、オークウッドプレミア仁川、慶源斎アンバサダー仁川アコー、松島セントラルパークホテル、ホリデイイン仁川松島、オラカイ松島パークホテルといった有名ホテルが松島に進出してきた。
蘇菜浦口市場という水産市場が活気を呈し、ワタリガニ専門店が並ぶワタリガニ通りも出現した。現代プレミアムアウトレット松島店も賑わっている。仁川広域市立博物館、嘉泉博物館、仁川上陸作戦記念館といった公共施設も整備、拡充されている。
松島地区の中心部には東京ドーム9個分の面積の松島セントラルパークが造られ、植樹された木々が緑陰を育てつつあり市民の憩いの場になってきた。公園の中には海水をひきいれた池があり、ボートに乗って楽しむ家族連れ、水上タクシーを利用する人などが見受けられた。
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