「朝鮮王朝末期の輝き・語り継ぐ朝鮮の美」展が来月、高麗美術館で開催。また韓国文化院では「韓国国立現代美術館 ARTBANK:SPRING」を開催中。韓国国立現代美術館では「不穏なデータ」展が開かれている。
朝鮮王朝(1392年~1910年)は519年の長きにわたり朝鮮半島を統治した王朝だった。
初期の王朝支配体制確立期から日本・清の侵略による王朝の動揺期、政治の安定期から世界の潮流が押し寄せた王朝後期へと続く。そして朝鮮王朝末期は上流階級の文化が一般社会に広がりを見せた時代だった。そこにはより朝鮮らしい鮮やかな色彩を追及し、個性を生かそうとする流れも生まれた。
たとえば、男性が持つ文房四宝などに見る道具の多様化、女性用の家具に見る色彩装飾などにその輝きが現れてくる。また、王朝時代末期の美術工芸品には、混乱した社会情勢から王朝文化を逞しく継承する姿も見て取れる。
同展では、朝鮮王朝末期の文化と輝き、そして近代以降の王朝文化継承の過程で生まれた書、工芸、絵画など、約70点を展示。併せて、17年にユネスコ「世界の記憶」に登録された高麗美術館所蔵の「朝鮮通信使」資料も特別展示する。
また同館は昨年4月、「開館30周年~日本と韓国の人々が愛した朝鮮美術を後世につなげようプロジェクト~」を開始した。創設者・鄭詔文(1918~1989年)の遺したコレクションを大切に保存・公開し、資料を活用した研究講座の開催を行ってきたが、その中には長い年月を経て劣化や損傷が進んだために、有効に展示・活用することが困難なものも多くあった。
例えば華角は色鮮やかな朝鮮王朝時代の木工品であり、
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